2020.12.07

再びコロナ禍のモヤモヤに悩む前に、知っておきたい「脳」の適応力

脳研究者・池谷裕二教授に聞く
早川 洋平 プロフィール

「家庭内放浪」のすすめ

――先ほどのゲームにおける時間管理とも、通ずるところがありますね。他にも家族と家にいる時間が長くなったことで、逆にストレスを感じているという声もありますが……

池谷 家族といえども、適切な距離感やスペースは必要ですよね。家にずっといてストレスがたまる時におすすめなのは「家庭内放浪ルール」をつくること。

子供に対しても「ここがあなたの部屋」と決め込んでしまわず、日毎にローテーションさせたり、家の中でちょっとした引っ越しをしてみたり。限られた空間の中でできる工夫をしてみることもできます。

そもそも江戸時代の日本人は家で仕事をする人が多く、家屋の作りもそれに適応していました。しかし会社に勤める(出勤する)のが当たり前の時代になると、「昼間は留守」が前提で、ただ寝に帰るだけの狭い家屋のつくりになってしまった。

 

ですから、私たちそのものが問題というより、社会の仕組みと家屋のつくりが原因で生じている摩擦とも言えます。

もちろん変化を求めることと安定を求めることは、どちらも等しく必要な考えです。ずっと同じことしていてもマンネリ化してイライラしてしまいますし、変化がありすぎてもストレスが多く不安になるものです。

なので「小さなこと」や「できること」から工夫して解消していくことを心がけるとよいでしょう。

photo by iStock

――他にも快適に過ごすコツはありますか?

池谷 「新しいルーティンをつくる」ことがあげられます。今までは問題なくできていても、この状況下だとストレスに感じたり、なおざりになったりしていることがないか。いちど自分のライフスタイルをふりかえってみるとよいと思います。

たとえばこれまでは当たり前のように「会っていた」身近な人とのコミュニケーションは図れているか。たとえば一緒に過ごす時間が増えたはずの家族との会話が逆に減っていないか。

もし心当たりがあれば、話し合いの機会を意識的・定期的にもうけるなど、無理のないところから始めることが大切です。

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