2020.11.28
# アメリカ # トランプ # 米大統領選

「トランプ弁護団」が次々と敗訴…そのウラでトランプが「次に狙っていること」

平河 エリ プロフィール

トランプ・キャンペーンの崩壊

トランプ・キャンペーンは至るところでメルトダウンしていた。トランプ弁護団のシドニー・パウエルは「ドミニオン社の投票システム」がトランプの票を勝手にバイデンに変更していて、その陰謀にジョージ・ソロスが関わっているなどという意味不明な陰謀論を述べた。トランプですら、流石にやりすぎだと思ったのか、後に「彼女は私とは無関係」などと述べ、最初から自分とは関係がないかのように装った。

並行して行われている訴訟では、ほとんどの州で即座に敗訴し、その数は30にものぼった。勝訴したのは、ごく少数の票の再集計などを巡るわずか2つのケースのみで、影響はほとんどない。

トランプ弁護団は共和党が指名した判事がいるペンシルバニア州の連邦地裁に望みをかけていたものの、「一票たりとも無効にする理由にはならない」と強い口調で批判された。彼らの虚しい努力は、なんの意味もなく、なんの効果もなかった。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

トランプは何を目指しているのか

2018年にマイケル・ウォルフが出版した暴露本「炎と怒り」によると、トランプはもともと大統領に当選できると考えてはいなかったようだ。だから、スティーブ・バノンを除いてはホワイトハウスに行く準備など誰一人していなかった。彼らは単に自分のキャリアのために「大統領選に関わった」というトロフィーが欲しかったのだ。

だから、当選後ドナルド・トランプは妙に暗い調子でスピーチを行い、メラニア・トランプは涙を流した。

そう、そもそもドナルド・トランプのキャンペーンには、まともに計画を立てて実行できる人間などいなかった。

娘であるイヴァンカも、娘婿のクシュナーも、トランプ・キャンペーンを主導した政治戦略家ロジャー・ストーンやスティーブ・バノンも(ふたりとも逮捕された)、娘に馬鹿にされ続けている大統領顧問のケリーアン・コンウェイも、ホワイトハウスで戦略を建てられる実務能力は皆無だった。

トランプは大統領選挙を使って成り上がろうとしたアウトサイダーを巻き込み、利用しながら、自身も利用されてきたのだ。

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