「あなたの基準に当てはめないで」の歌詞に大共感

こういったコンプレックスを煽る文化を見直し、「自分らしさ」の追求しよう!という動きは、韓国で広がりを見せているフェミニズムと重なる部分があります。

 

日本でも公開された映画『82年生まれ、キム・ジヨン』では、〇〇でなければならないというプレッシャーによって自分を見失ってしまう主人公の姿を丁寧に描いています。ほかにも、最近日本でも人気の韓国ベストセラー・エッセイのキム・スヒョン著『私は私のままで生きることにした』やハ・ワン著の『あやうく一生懸命生きるところだった』、パク・セヒ著『死にたいけれどトッポッキは食べたい』なども、他人のためではなく、自分のために生きたい、自分らしく輝きたいという思いを持ちについて語っています。今、韓国では「常識」や「普通」に疑問を抱く人が増えているのです。

日本でも「自己肯定感」という言葉が注目されていますが、韓国でもほぼ同じ意味にある「자존감(自尊心)」という言葉がこれらのエッセイには多く登場します

また、K-POPでも「自分らしさ」に対してメッセージを発信するアーティストが増えています。男性にこびたり、セクシーさを売りにした楽曲やコンセプトよりも、女性たちが憧れるようなガールズクラッシュなアイドルがここ数年ヒットを飛ばしています。

「キレイなだけで魅力がない子達と私は違うの あなたの基準に私を当てはめないで 私は今の私が好き 私は私よ」と歌うITZYの『DALLA DALLA』は「自己肯定感を上げてくれる」と支持を受けています。外見にも流行にも左右されない、強く堂々とした姿が、韓国の若者たちの心に響いているようです。

歌詞だけでなく、ファッションも姿勢も「私は私:とこびない姿勢が人気のITZY。写真/ITZY公式サイトより