米国はかつてモンロー主義(欧州に対する相互不干渉)を掲げ、銃で武装しつつ、世界に背を向け、引きこもっていた国である。トランプ氏の振る舞いはかつてのモンロー主義の時代の米国に戻っているだけであり、日本のために中国と交渉することなどあり得ないと思った方が良い。
今回の大統領選で勝利したバイデン氏は、おそらく以前の米中関係に戻そうと試みるだろうが、交渉が難航するのは必至だ。中国にはもはや何も恐れるものはなく、米国が中国から大幅な譲歩を引き出すのは極めて難しい。すでに日本の対中貿易は対米貿易を上回っており、中国経済圏に取り込まれつつある。最終的に米国がアジア太平洋地域を放り出す可能性についても、日本人はそろそろ認識しておくべきだろう。