11月30日にデビューしたK-POPボーイズグループ「ENHYPEN(エンハイプン)」の人気が凄まじい。デビュー前からTwitter、Instagram、YouTubeのフォロワー数は100万人を超えており、彼らが日々投稿するツイートには20万超の「いいね」がつく。この「いいね数」に限って言えば、日本で大ブレイクしているNiziUより1桁多く、K-POPでBTSに次ぐ人気のあるBLACKPINKに匹敵するレベルである(ちなみに、BTSはたいてい100万いいねを超える)。

 

制作費およそ20億円の豪華サバイバル番組から誕生

デビュー間もない彼らがこれだけのファンダムを作り上げているのは、彼らを生んだサバイバルオーディション番組『I-LAND(アイランド)』によるところが大きいだろう。

BTSが所属するBig Hit Entertainment(以下、Big Hit)と、「IZ*ONE」や「JO1」などを輩出したオーディション番組『PRODUCE』シリーズを企画するCJ ENMがタッグを組み、約20億円をかけて制作した同番組は、世界181カ国で延べ4300万人超が視聴し、世界的な注目を集めた。

このオーディション番組の選抜方法がまた独特だった。「I-LAND」という、この番組のためだけに7億円もかけて建設された巨大施設に、BTSを生んだプロデューサーのパン・シヒョク自らが選んだ23人の精鋭が集められ、まず、参加者同士が脱落者を選ぶかたちで12人までに絞られる。その後、プロデューサー陣による評価と世界中の視聴者からの投票によって、デビューメンバーの7人が決定した。

参加者同士で脱落者を選ぶのは、審査員によって選ばれるよりも精神的に酷だ。どんなに仲良くなっても、実力が足りないと思ったら落とさなければならない。回を追うこごとに絆が深まるなかで、互いの人生を左右するその決断を、10代という若さで迫られるのだ。だからこそ、さまざまな人間ドラマと感動が生まれ、多くの視聴者が引き込まれた。

そんな過酷なサバイバルを乗り越えた7人は、グループを結成した9月18日から休む間もなく11月30日のデビューに向け準備を進めることとなった。デビュー・アルバム『BORDER : DAY ONE』には4曲も収録されているが、この4曲にはもちろんダンスの振りもある。それをおよそ2カ月ほどで習得した彼らは、11月30日にABEMAと韓国のMnetで日韓同時に4曲のパフォーマンスを初披露した。

ABEMAで20時に配信開始された時点で、およそ36万人が同時視聴していた。デビューしたてのグループが日本だけでもこれだけ視聴されているのは驚異的である。