批判噴出の「学術会議問題」、一番深刻な問題は「ブレーンの不在」だ

自民党と学者の相性は元々悪かった…
河合 幹雄 プロフィール

大量の激励が大学に届いた

ところが、この問題点は、現在ではかなり解消されている。その証拠に、今回、私自身が連携会員として任命されている。

私の本務校の桐蔭横浜大学は、防衛装備庁の安全保障技術推進制度の助成を受ける、数少ない大学の一つである。これについて学術会議や、それに関係する筋から圧力を受けたことは一切ない。

そもそも学術会議の意向に従えという主張は、大学の自治を侵すもので政府からの圧力と同様、一種のファシズムである。このことを学術会議は良くわきまえている。

桐蔭横浜大学は、兵器開発するような狭義の軍事研究を大学が請け負うべきではないと考えるが、実際に応募許可した研究のように、地下に空洞があるかどうかを探る技術なら、軍事にも民間にも活用できる基礎研究であると判断した。

もっとも、勇気ある応募を賞賛する大量の激励が大学に届いたのには驚かされた。

現在の学術会議には、リベラルでありながら、世界情勢の実態を無視して憲法9条を護れと唱えているだけの学者を批判的に見るリベラル右派とでも言うべき人たちが健全に含まれている。私も、その一員のつもりである。

 

タイミングもおかしかった

以上のような長いスパンの経緯を念頭に置けば、今回の任命拒否は、タイミングもおかしい。

人選をみると、何か気に入らないところがある人物のリストとしか表現のしようがなく、意図が不明である。

丸山眞男のときは、まだしも時代背景として共産主義の脅威はあったが、現在の大学教員たちは、皮肉なことに、安倍・菅政権を支持する学生を大学で大量に育てている。

革新支持の学生は、いまや少数である。どうみても、今回の人選もタイミングも、誰かが熟考のうちに進めたのではないと考えるほかない。

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