『パンツザウルス』っていったい何?

保育園の教室に入ると、入口には紙で作ったカラフルなパンツが天井からアーチのような飾りが。パンツには、「P」「A」「N」「T」「S」の文字がそれぞれに書かれている。

英語幼児園『ミリオングローバルキッズ』の教室の入り口に飾られた、パンツの飾り。写真/FRaU編集部

教室には、3歳と4歳の子どもたちがグループになって座っていた。
この年齢の子どもたちといえば、パンツやうんち、おっぱい、おちんちんといった口に出すと恥ずかしいと感じる言葉を連呼しがちだ。「お友達といっしょに言い始めると止まらない」「兄弟でずっとそんな言葉ばかり発して、買い物に連れて行っても困ってしまうことばかり」といった親たちの悩みもよく耳にする。

 

3、4歳の子どもたちに性教育と言っても、大騒ぎになりそうな気もするが……、と思っていたが……。

先生は教室に飾っている紙で作ったパンツオブジェと同じ柄のパンツの絵を持って、「PANTS のPは?」と、問いかけ始めた。すると、子どもたちは一斉に大きな声で「Private!」と答えたのだ。「そうだね!パンツの中は自分だけの大切なところだね」と先生は続けて説明をしていく。

使っている教材は、NSPCC(全英児童虐待防止協会:National Society for the Prevention of Cruelty to Children)が企画した『パンツザウルス』というアニメーション だ。子どもたちを性犯罪の被害から守るため、小さな子どもでも簡単に理解できるように、歌いながら踊りながら理解できるように作られている。人気のクレイアニメ『羊のショーン』『ウォレスとグルミット』のアードマン・アニメーションズが制作し、イギリス本土でも話題を集めた。

パンツザウルスのトレードマークのパンツ(P・A・N・T・S)には、それぞれ意味があり、子どもに伝えたいメッセージになっている。日本語ではニュアンスを伝えるのが少し難しいがこんな感じだ。

PRIVATES ARE PRIVATE
パンツの中のプライベートパーツは「自分だけの大事なところ」だよ
ALWAYS REMEMBER YOUR BODY BELONGS TO YOU
いつも忘れないで、「あなたの体はあなただけのもの」だよ
NO MEANS NO
「ノーはノー」いつだってイヤという権利があるんだよ
TALK ABOUT SECRETS THAT UPSET YOU
心配な秘密があったら話してみよう
SPEAK UP, SOMEONE CAN HELP
困ったことがあったら声をあげてね、必ず助けるから安心して 

教室では、先生がアルファベットの頭文字が書かれたパンツを手に、ひとつひとつその意味を説明していった。最初少しざわついていた教室も、静かになり子どもたちも熱心に聞いている。伺った保育園はインターナショナルプリスクールなので、先生の問いかけも、子どもたちの答えも英語で行われている。

先生が英語で「プライベートゾーンを人に見せたりしますか」という質問に子どもたちに投げかけると、一斉に「NO!!」と答え、「触らせてと言われたら?」という質問にも「NO!!」と答えていた。参加する前「3~4歳の子どもたちが理解できるのだろうか」と思っていたが、教材がわかりやすいのか、楽しそうに聞いている子どもたちばかりだ。

先生たちは、紙でパンツザウルスの登場人物を作り、紙人形劇で見せてくれた。写真/FRaU編集部

最後は、『パンツザウルス』のアニメーション動画に合わせて、みんなで楽しく歌って踊ってプログラムは終了した。
※パンツザウルスの動画と要約した内容は、記事の最後に掲載しています。