丹波さん、今どこで何しているかな
ただ、自分で「生きる」「死ぬ」をそんなに自覚しなくてもいいのかな、もう、なるようにしかならないし、と思っている自分もいます。
死後どこどこへ行くなんていうのも、正直、どうでもいいことです。
亡くなった丹波哲郎さん、今、どこで何しているのかな。丹波さんは、なぜか私のことを尊敬していまして、よく「死後の世界では、あなたは私よりもずっと格上の存在なんです」とか言われて困りました。死んだ後も上とか下とかあるのか、大霊界ではそうなのか、とか思いましたが、そこまで言うなら丹波さん、一回、こっちに帰ってきて、もっといろいろ教えてくれないかなと思いながら、私は今日を生きております。
お笑いは二番手
先ほども触れたように、私が本当にやりたかったことはお笑いではありません。お笑いは二番手でした。いまでも、ノーベル賞を受賞した科学者を見ると嫉妬します。
親には失礼ですが、やっぱり親がもうちょっと金持ちで、子どものときから塾に行かせてもらって、研究者になれるようないい大学に入っていたら……と思うことはあります。まあ、こんな話を天国の母ちゃんが聞いたら、「親の目盗んで野球やってたくせに。バカかオマエは」と叱られそうですが。
二番手だったから、夢中にはなりきれないし、客観的に見られるから、生涯の仕事を選ぶのは二番手がいちばんよかったんじゃないかと思うときもありますが、全身全霊で夢中になっている人を見ると「負けた」と思います。芸人としていろいろ表彰もされましたが、「だって俺、二番手の人生なんだよな」と素直に喜べない自分もいます。