「強きを助け、弱きを見捨てる」、これがGoTo政策の本質だ

コロナ強者に集中する補助金の恩恵
野口 悠紀雄 プロフィール

利益を受けるのは所得の減っていない人

GoTo政策は、サービスの価格を安くしているので、その恩恵はサービスの購入者にも及ぶ。 そして、こうしたサービスの購入者は、必ずしも所得が減っている人ではない。つまり、Goto政策の恩恵は、所得の減っていない人にも与えられている。

というよりも、恩恵を受けている人の多くは、所得が減っていない人だろう。なぜなら、所得が大幅に減っている人や、職を失った人々は、旅行や外食に補助が与えられても、観光旅行にいったり、豪勢な外食をしたりする余裕はないと考えられるからだ。

だから、GoTo政策で支出をしているのは、比較的恵まれている人々だ。この意味でも、GoToは強者に対する補助になっている。

そして、コロナ下においても、所得がほとんど影響を受けていない人は多い。というより、数からいえば、所得が減った人の方が少ないのだ。

実際、家計調査報告によると、勤労者世帯の実収入は、前年よりむしろ増えている(図2参照)。5,6,7月は、定額給付金の影響で著しく増えた。それ以外の月においても、前年比で2%程度の増加が続いている。

なお、法人企業統計調査においても、2020年7 - 9 月期における賃金(人件費計/人員計)は、全産業、全規模で見て、対前年同期比で、2.3%下落したに過ぎない。

 

■図2 勤労者世帯の名目実収入の対前年同月増加率(%)

資料:家計調査報告

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