私が晩飯だけの1日1食にした理由
私は38歳のとき80キロまで太ってしまい、数々のダイエットを考案してきました。当初は「一汁一菜ダイエット」です。1日3回食事を摂る代わりに、一汁一菜すなわちご飯と味噌汁とおかずを1皿。おかわりや間食はなしにしたら、みるみる痩せました。そこでお椀やお皿を子ども用の小さいものに替えたら、さらに痩せました。
けれども困ったことが起きました。付き合いで外食をした翌朝は、胃がもたれて胸やけがするのです。無理して食べるとますます具合が悪くなる。食欲がないときは朝食を抜いて胃を休ませたほうがいいことに気付きました。
また昼食を摂ると午後の手術のときに眠気が襲ってきて死ぬほどつらい。おにぎり1個でも眠くなります。午後に大切な仕事のあるときは昼飯を抜いたほうが、体調がいいのです。そこでついに晩飯だけの1日1食になりました。
暴飲暴食をすると腸管が傷つきます。その傷を修復するために空腹の時間が必要なのです。また、休暇や旅行などでつい食べすぎたときに付いた贅肉は、その直後にリセットしたほうがいいのです。もちろん餓死寸前まで我慢しなさいといっているのではありません。自分の体と対話して、おなかがグーッと鳴ったら食事をすることにしましょう。3回グーッと鳴るまで我慢します。
これにはちゃんと意味があります。1グーッのときには、若返りホルモンと呼ばれる成長ホルモンが分泌され、粘膜や皮膚が若返ります。2グーッのときには、若返り遺伝子といわれるサーチュイン遺伝子が活性化して、細胞、特に遺伝子を若返らせてくれます。3グーッのときには長寿ホルモンです。脂肪からアディポネクチンというホルモンが出て、血管を若返らせてくれることがわかってきました。
そして何より空腹でエネルギーが不足しているとき、脂肪を燃焼するために、がんを死滅させるミトコンドリアが増え、がんになりにくくなるのです。