ここのところ、周囲に大腸がんになる人が増えたように思われないだろうか。実際、日本女性のがん死亡率の第1位は大腸がんになっている。男性の大腸がん死亡率も肺がん、胃がんに次いで第3位だという。なぜこんなに大腸がんが増えたのだろうか。その理由と腸内環境の整え方を、南雲吉則氏の著書『60歳を超えても40代に見える生き方 老化に勝ち続ける私の毎日』からご紹介しよう。
本来、便やおならは臭くない
現代人の便やおならは臭います。便やおならが臭うのは当たり前だろう。実は私もそう思っていました。しかし、それは腸の中で悪玉菌が繁殖して腐敗しているということです。腐敗していれば炎症を起こします。これが腸炎です。
腸炎が起これば細胞分裂を活発にして修復をします。年がら年中修復をしていると、細胞分裂が限界に達してしまいます。そのとき、永遠に細胞分裂を繰り返す修復細胞が生まれます。それが「がん」です。大腸がんの死亡率が右肩上がりに上昇しているのは、日本人の腸内環境が腐敗していることの表れです。

腸内環境が整うと、不思議なことが起きます。まず便秘や下痢が治って、おならとともに大量の便が出ます。しかも便やおならが臭わなくなるのです。これは善玉菌が繁殖して腸の中が「腐敗」から「発酵」に変化したからです。
大便とは食べ物のカスだと思っていたのですが、実は60%が水分です。食物繊維をたくさん摂ると便が水分を吸収するので、便が軟らかくなり量が増えます。便の残り40%のうち、ほとんどが腸内細菌の死骸です。便の量が増えたのは善玉菌が大量発生している証拠でした。
私はこれまで自分の体内環境を整えるためにさまざまな健康法を試してきましたが、最も力を入れるべきは腸内環境だったのです。