何が起きていたのか…“官邸の守護神”の定年延長問題が与えた「大きな衝撃」

『安倍・菅政権vs.検察庁』(2)
村山 治 プロフィール

電話で検察幹部から話を聞いた。

「(法務省が)国家公務員法で、検事でも定年(勤務)延長できる、と。とりあえず、現状維持。身分は検事長のまま。(黒川に)検事長として仕事をさせようということ。当面、ゴーンの身柄確保などに向けてやらねばならないことがある。稲田総長は5月に辞めるだろう。(黒川は)総長の話があれば断らない。天命と思って受けるだろう。稲田は林にちゃんと経緯を説明しなければならない」

法務・検察では、名古屋高検検事長の林が次期検事総長の本命とみられてきた。黒川が次期検事総長になると、誕生日の関係などから林が検察官のまま総長になる目はなくなる。

幹部が、林に対する稲田の「説明責任」に触れたのは、林が稲田から繰り返し、次期総長は君だ、と示唆され、それに向けて心の準備をしていた、と受け止めていたからだ。幹部の言葉からは、林にとって、信頼していた稲田の「変心」はさぞショックだろう、との惻隠の情も感じられた。

 

勤務延長の理由は「業務遂行上の必要性」

法相の森雅子は2020年1月31日午前に開いた閣議後の記者会見で、黒川の「任期延長の理由」を質問され、以下のように答えた。

森法相:黒川検事長は、令和2年2月7日限りで定年に達するところでございますが、検察庁の業務遂行上の必要性に基づき、引き続き勤務させることを決定したものでございます。

答えは、あっさりしたものだった。しかし、それ以上、記者の突っ込みもなかった。森の言う「検察庁の業務遂行上の必要」とは何を指すのか。

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