2020.12.30
# 自動車

N-BOXやタントは要注意…? 高速道路「時速120km時代」に“軽自動車選び”は激変する!

「100km制限」は50年以上続いた

2020年12月22日に、新東名高速道路の静岡県内区間(御殿場〜浜松いなさジャンクション/140km)において、最高速度が従来の時速100kmから120kmへ引き上げられた。

日本の高速道路における最高速度は、1963年に名神高速道路が開通した時点で、既に時速100kmとされていた。それ以来、50年以上にわたり、日本の最高速度は時速100kmが上限であった。

2017年になると、一部の区間で時速110kmの試験運用が始まり、時速120kmまで高めた。この成果を踏まえて、静岡県内区間の最高速度を時速120kmとした。

高速道路の最高速度を時速100kmに定めた1963年と今では、クルマの性能が大幅に異なる。例えばトヨタクラウンなら、1963年に売られていたのは2代目だが、現行型は15代目だ。50年以上の歳月があれば、クルマは技術の進歩を重ねて走行性能も大幅に向上する。

18年に発売された15代目クラウン/photo by gettyimages
 

今の自動車メーカーは最高速度を公表していないが(時速180km前後でスピードリミッターが作動する車種も多い)、1960年代には明らかにされていた。前述の直列6気筒2Lエンジンを搭載した2代目クラウンの最高速度は時速150km、1964年に登場した3代目トヨタコロナの直列4気筒1.5Lは時速140kmだった。

1966年に発売された初代トヨタカローラの1.1Lも時速140km、水平対向2気筒800ccの初代トヨタパブリカ(後期型)は時速110km、軽自動車で直列4気筒360ccを搭載する初代マツダキャロルは時速90kmという具合だ。

このように1960年代の時速100kmは、コロナやカローラにとって最高速度に近い。軽自動車では最高速度を上まわり、2000年までは、軽自動車と自動2輪車は高速道路でも時速80kmに制限されていた。

この経緯を振り返ると、1960年代の最高速度は妥当だったが、1970年以降はクルマの進化に追い付いていない。そこをようやく改めることになった。

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