ご存知、池上彰さんの著作『社会に出るあなたに伝えたい なぜ、読解力が必要なのか?』。テレビで大活躍の池上さんといえば、難しいことをわかりやすく伝えてくれる、そんなどちらかというと「アウトプット」の人という印象があった。だが、そこは元祖敏腕取材記者、アウトプットを支える(ある種基本に忠実な)「インプット」の技術が卓越している人なんだなというのが、本書を読んだ最初の感想だ。
見出しや単語の拾い読みが誤解を呼ぶ
情報を自分自身の身体に正しく取り入れる、この力を「読解力」と定義し、この本は進行していく。
SNSなどで広がるデマや無軌道な論争がしばしば話題になる。これは、見出しを読んだだけのいわゆる「憶測」的反応や、単語を拾い読みすることによって生じる「誤解」、特定の言葉に食って掛かる「脊髄反射」反応など、社会全体の「読解力」の低下が問題となる。

池上さんは、デマが急速にパニックにつながっていく事例や「炎上」を解説しながら、ツイッターのリツイート機能を開発した人物、クリス・ウェザレル氏の「(リツイートは)人類には早すぎる機能だった。4歳児に装弾した銃を与えたようなものだ」という言葉を添える。