2021.01.10
# ボクシング

井岡一翔の「タトゥー問題」で、JBCが犯した「決定的な大失敗」

応答の仕方を間違えた
片岡 亮 プロフィール

この手のオラオラ系のファッションは、ほかの場所でも見られる。たとえばプロレス界では、以前、後ろ髪を伸ばすのが流行っていたし、佐々木健介や天山広吉といった選手はそうした髪型にくわえて、同時に刺繍ジャンパーを着たりもしていた。それは、いかにもカウンターカルチャーの精神だった。

ただ、一般人の多くはそのストリートファッションにも憧れてはいないから、井岡の入れ墨を見て「かっこいい」とは思わず、今回の問題に「入れ墨は嫌い」と感じ、「処分やむなし」と感じているだけである。

 

入れ墨禁止ルールができたワケ

しかしそもそも、なぜボクシング界は入れ墨に関して禁止ルールを作ったのだろうか。それは、かつてのボクシング界では興行と暴力団が密接な関係があったわけだが、それに対する世間からの批判を受けて、「目に見える対策」を見せなければならなかったからである。

入れ墨をNGにしたのはゴールデンタイムに試合中継していたテレビ局からの注文でもあった。なにしろ少し前まではリングサイドに暴力団組員が普通に座っていたのだった。

しかし、時代は変わり、明らかに暴力団と無関係なファッション・タトゥーを入れる若者が出てきて、格闘技イベントのRIZINでも、次から次へと入れ墨を入れた選手が登場している。肉体を見せる仕事だからこそ、タトゥーをアクセサリーにしたがるのは十分に理解できることだ。

こうした動向を黙認するような動きもある。たとえば、ボクシング界では日本のジムに所属しているベネズエラ人の元世界王者ホルヘ・リナレスほどになると、後楽園ホールのリングに上がる際も入れ墨をファンデーションで隠させるなんて苦肉の策はさせていない。日本人でも胸にワンポイント入っている程度なら許容しているのが実情だ。

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