先出の小林氏は、今後のさばを取り巻く市場をこう読み解く。
「第1次、第2次ブームを経て、さばの多様性を楽しむ方が増え、より生活に根付いたと感じています。さばは高級魚ではない基本食材で、もともと日本人の生活に馴染んでいた魚です。日本の漁業の仕組みからいえば、さばは旬がありどうしても季節を選ぶ魚ですが、ノルウェーのように集中漁法で均一な品質での提供も可能となったことで、時期を選ばずに高品質なさばを楽しむことができるようになった。しばらくは需要増傾向が続くのではないでしょうか」
昨年12月には資源管理を目的に実に70年ぶりに改正漁業法が改正され、大なり小なり漁獲量や価格面への影響は生じてくるだろう。それでも20年に極度の不漁だったサンマなどと比べると、さばは安定供給が続くという見通しが強い。3度のブームを迎えて定着したさば人気は、コロナ禍の時代を追い風にしてしばらく続きそうだ。