未だに行きにくさを感じる人が多い産婦人科

若い世代が産婦人科に行くと、「ちゃんと自分の体のこと考えて偉いわね」と肯定されるよりは、「若いのに産婦人科に来るなんて、何があったのかしら」と勘ぐられる社会的風潮が日本ではまだ消えていない。

 

実際、現在集計中の緊急避妊薬へのアクセスに関する約1万人への調査でも、こんな声が寄せられている。

「産婦人科やレディースクリニックに行きづらい空気が日本にはある」(19歳 大学生)

「院内での周りからの目線が厳しい」(19歳 大学生)

「病院に行くのが恥ずかしい。一人で行って、自分だけが責められるかもしれないのが怖い」(19歳 大学生)

「自分がアフターピルを貰いに行った時、産婦人科にいた年配の方々に『あんな若いのに妊娠かしら』と聞こえる声量でヒソヒソ話をされた。私はとても居心地が悪くなったと共に、悲しい気持ちになった」(20歳 大学生)

周囲の目が気になって行きたいのに産婦人科に行きにくいと感じる女性たちが日本ではまだまだ多い。photo/iStock

このように、健康を守るために当たり前に必要なはずのケアへのアクセスが、性に関わるヘルスケアへのスティグマによって阻まれている。

こういった産婦人科への行きにくさが変わって欲しい、性教育や避妊の選択肢、性の健康と権利がもっと日本でも広がって欲しい、という思いで私が始めたのが『#なんでないのプロジェクト』だ。今年5月でスタートしてから早3年目を迎える。プロジェクトを始める前は、大学で長らく日本の遊廓について研究したりその歴史を伝える活動をしていたため、「性」に関わることを人前で話す経験は、足掛け7年ぐらいになるだろうか。