文政権の基盤が危うい…?
米国のバイデン政権の発足は、韓国経済にとって追い風になるか、それとも逆風になるか。
今後の展開次第ではどちらにも転ぶ可能性はあるものの、韓国経済はこれまで以上に厳しい状況になる懸念は払しょくできないだろう。
次期国務長官に指名されたアントニー・ブリンケン氏は、上院公聴会にて、北朝鮮への圧力を重視することに加え、トランプ政権の対中強硬策は正しかったとの見解を示した。
次期財務長官に指名されたジャネット・イエレン元FRB議長も中国は脅威だと述べた。
就任以来、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、安全保障を米国に頼り、外交面では北朝鮮との宥和を重視し、経済面では中国との関係を優先してきた。ブリンケン、イエレン両氏の発言を額面通りにとらえると、文大統領がこれまでの政策スタンスを続けることは難しくなる。

それが、韓国経済に与える影響は軽視できない。
また、韓国の企業は中国勢に追い上げられている。
半導体業界では、世界最大のファウンドリー(半導体の受託製造)企業であるTSMCなど台湾企業の競争優位性が高まっていると考える投資家も多い。
足許、内閣改造や新型コロナウイルス感染者の減少などに支えられて、文氏の支持率は過去最低水準から幾分か持ち直した。
しかし、少し長めの目線で考えると文氏の経済運営は難航し、政権基盤が不安定化する展開は否定できない。