『エヴァ』がTV放送から26年経っても、若者に「絶大な人気」を誇る理由

登場人物に、どうしても共感してしまう
溝部 宏二 プロフィール

またTV版第三話では、「人の言うことには大人しく従う、それがあの子の処世術じゃないの?」と赤木リツコに看破される場面があり、エヴァに乗って人類のために戦うという過酷な状況で、自らの判断を停止して命令のまま動く様子が描かれている。

なお「対象との一体化」を目指すシンジは、エヴァと一体化(シンクロ)する必要があるパイロットに最適であろう。

©カラー/エヴァンゲリオン公式Twitterアカウントより
 

TV版も含めて『新劇場版:Q』より前のシンジは、「対象との一体化」を求めて、周囲の人物に自分を拠り所となってくれるようメッセージを送り続ける依存傾向の強いパーソナリティであった。

しかし『Q』ではやや異なる印象を持つ。『新劇場版:破』まで仲間だったはずの葛城ミサトや式波アスカから見放されたシンジは、「対象との一体化」が叶わぬとなると、無力感から衝動的な行為に走る。

この2つの性格を矛盾なく理解するとしたら、シンジの内面に大きな波があると考えると辻褄が合う。対象と一体化できていると、彼は一定程度の社交性があり「元気」だが、相手との間に齟齬があると「落ち込む」のである。いずれにせよ、関係を結ぶ相手から強い影響を受けていることは間違いない。

他人を寄せつけないアスカ

次に式波(惣流)・アスカ・ラングレーであるが、彼女は他者を見下し、自分と他人の間の線引きを強化して何人をも寄せ付けないことで、本当は脆弱な自我が傷付かないように防衛している。

母親から拒絶されて育ったアスカは、「人類を守るエリートパイロットに選ばれた」「だから皆が優しくしてくれる」「寂しくなんかない」「私を見て!」と、誰かに評価されることを原動力にして生きている。

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