『エヴァ』がTV放送から26年経っても、若者に「絶大な人気」を誇る理由

登場人物に、どうしても共感してしまう
溝部 宏二 プロフィール

友人から見たアスカの評価は、「傲慢、高飛車、生意気、変わり者、我儘、見栄っ張り、冷淡、二重人格、バームクーヘン、薄情者、自意識過剰、いけすかない女、いやーな感じ」と散々なものである。

ここから、他人と深く関わることで傷つくことを恐れるあまり、棘を出して周囲を傷つけているアスカの姿が窺える。アスカは、とげとげしい態度で他者を遠ざけるが、1人では寂しい。だからシンジに対してツンデレで接するのだ。

そのような彼女は、感情表現が大げさで、わずかなことで大騒ぎするが、いかにも芝居じみている。本当の自分の姿を心の奥深くに隠しているため、心の中にバームクーヘンのような空っぽな感覚が存在し、それがこのような行動へとつながっているのだろう。

©カラー/エヴァンゲリオン公式Twitterアカウントより
 

コミュニケーションに思い悩む若者たち

ここまでシンジとアスカのパーソナリティの特徴を簡単に述べてきた。人間は元来、遺伝的素質に規定された「気質」を持って生まれ、様々な生育環境が関与して「性格」が形成される。

気質と性格が相俟って「人格(パーソナリティ)」が培われるが、その過程で様々な心的外傷を受けることで、人格にも影響がおよび、場合によっては問題を抱えるようになる。

エヴァのパイロットたちもそれぞれ生きづらさを抱えてはいる。しかし決して病的とは言えない。

また、2人の人格特性は、対照的に見えるが共通する部分がある。それは、共に他者の承認を切実に求めている点、いわゆる「承認欲求」が強い点である。

これは元来、「生命の安全」といった低次の欲求が満たされてから求める高次の欲求であるにも関わらず、作品内の彼らは何よりも優先しているかに見える。このように強い承認欲求を抱いている点が、現代の若者と重なってくるのだ。

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