新型コロナウイルスの感染拡大によって新年一般参賀が中止となり、代わりに、コロナ禍に関する天皇、皇后両陛下からの「ビデオメッセージ」が発せられてからおよそ1ヶ月が経ちました。
メッセージは、元日の午前5時半という異例の時間に宮内庁ホームページで公表されました。そのせいか、現在の上皇さまが在位時代に行った東日本大震災でのメッセージや、退位への思いを伝えるビデオメッセージのように、テレビが一斉に同じ映像を流すという現象は起きず、あまり目立たなかったように感じます。宮内庁はもっとメディアが扱いやすい時間帯に公表のタイミングを設定できなかったのかと、少し残念に思います。
天皇陛下の言葉の内容と、18年ぶりとも言われる雅子さまの肉声からは、両陛下の国民への眼差しや、陛下の雅子さまに対する深い愛情など、多くを読み取ることができ、お二人に近い人々からは称賛の声が聞かれます。宮内庁のホームページに今もしっかりと動画が掲載されていますので、改めて御覧になることをお勧めします。
心配の余り、動く唇
動画は全部で6分45秒の長さがありますが、最も目を引きつけられるのはやはり、最後の30秒で語られた雅子さまの言葉と声です。
〈この1年、多くの方が本当に大変な思いをされてきたことと思います。今年が、皆さまにとって少しでも穏やかな年となるよう心からお祈りいたします。また、この冬は、早くから各地で厳しい寒さや大雪に見舞われています。どうぞ皆さまくれぐれもお身体を大切にお過ごしいただきますように〉