2021.02.16
# 政局 # 中国

今の政治に、「ダメ出しできる部下」が何よりも求められる理由

中国の古典『貞観政要』から学んだ

「理想のリーダー」とはどんな人物か? この政治・ビジネスの永遠のテーマの答えを求めて、平安時代以来、日本の権力者たちは、『貞観政要』(じょうがんせいよう)という唐代中国の「名君」皇帝・太宗(たいそう、598~649年)の言行録を愛読し続けてきました。

現代においても政財界のキーパーソンがたびたび座右の書として推薦しており、このたび刊行の『貞観政要 全訳注』も、訳800ページという文庫としては異例の分厚さにもかかわらず、大変な人気となっています。

 

しかし、全文を翻訳した中国史研究者の石見清裕さんは、この本の本当の面白さは、かならずしも理想的な立派なリーダー像だけではないと言います。むしろ、歳をとって「ダメになった皇帝」の姿こそ、現代のわれわれが読むべき!?

「瓦の雨具なら濡れない」の真意

中国唐王朝の皇帝太宗は、狩り好きであった。

ある時、狩りに出かけて雨に降られた太宗は、側近の者に、

「どうすれば、水の漏らない雨具ができるだろうか」

とたずねた。すると、その者は、

「瓦で作れば、絶対に漏れません」

と答えた。

あまり狩りに出かけずに、皇帝は瓦屋根の宮殿にいるべきだという示唆であった。

太宗はこの返答を気に入って、その側近官に絹50疋(ひき)と黄金のベルトを褒美として与えたという。

『貞観政要』畋猟(でんりょう)第2章に見えるエピソードである。

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