地球を取り巻く状況は変化を遂げ、私たちの生活も変わることを余儀なくされました。未来に対して確固たる答えもゴールも見えていない状況ですが、手探りでも前へ進むことが欠かせません。今回は、アイドルグループSexy Zoneのマリウス葉さんに、社会や地球についてどんなことを思い、どんなアクションを起こしているのか伺いました。
●情報は、FRaU2021年1月号発売時点のものです。また、この取材は2020年11月に行いました。
他者に思いを馳せるため、
まずは自分を大切にする
社会や地球のために行っている、日常でのアクションを聞いたとき「息抜きをすること」と答えてくれたのは、アイドルグループSexy Zoneで活躍するマリウス葉さん。多忙な毎日を過ごすなかでも、何もかもを忘れて息抜きできる場所、時間を意識的につくっていると教えてくれた。自分がきちんと休むことが、周りの人の役に立つ。一見関係のないように思えるこのアクションが、社会に与える影響をマリウスさんはどう考えているのだろうか。
「勉強も仕事も大事だけれど、自分の心身が一番大事。人のために何かをしたければ、まず自分のケアをします。人を愛したいなら、まず自分を愛さないといけないし、人に教えたかったら、自分が学ばないといけない。環境に対しても同じです。自分を良い状態に保つこと、余裕のある状態にしておくことを意識しています」
ドイツで生まれ、11歳の時に日本に移住したマリウスさんが日本での生活をはじめて驚いたことは、休むことへの罪悪感を多くの人が持っていることだった。
「みんな仕事が忙しいし、仕事をしながら子育てをしている人もいる。そんな日常のなかで、今世の中で何が起きているかを把握して行動するなんてとてつもないプレッシャーだと思います。しかし、忙しいといって人任せにしていた結果が今の社会。気づかないうちにとんでもないことになっていた、という状態になりつつあるのではないでしょうか」

今後、より多くの人が環境問題、社会問題に関心を持ち、真剣に取り組んでいかなければ、これまでの日常生活を営むことさえも難しくなってしまうかもしれない。それを防ぐためにも、一人ひとりが生き方のバランスを考えることが必要なのではないかとマリウスさんは提案する。そして一足飛びに行動に移すのではなく、まず考えてから選択することを意識しているという。
「具体的に行動に移すことはすごく大切ですが、その前に考えることが必須だと思っています。例えば、レジ袋が有料になったからマイバッグを持つのではなく、マイバックを持つとどういう効果があるのかを調べて自分が納得して行動すること。人に言われたからやるのではなくて、自分で考えて理解し、こういう行動をしようと選択したアクションは、よりパワーがあると信じています」
考えて行動するためにも、やはり休む時間が必要だと続ける。
「考えることはエネルギーが必要な行為。だからこそ、考えない時間をつくります。みんなが忙しすぎる社会では、自分自身のことをないがしろにしてしまう。その状態では目の前のことに精一杯で、他のことを考える余裕もありません。最初の話に戻りますが、自分を大事にしてはじめて、他の人や地球に思いを馳せることができます」