50代からの人生をどう生きる?
現在は、自分がやってきた過去を受け入れて、うまく自己肯定感のバランスを取っていると語った梅沢さん。50代からの人生をどのように見据えているのだろうか。
「50代は人生の分岐点とも言える気がします。40代まで同じステージにいた人たちが、50代になると挑戦をあきらめる人、さらに飛躍する人と大きく道が分かれる印象です。自分自身のこれからを考えると、体力が落ちて引退も見えてくるけれど、あまり美容師に執着しないほうがいいのかなって。
しばらくはヘルシンキでの生活を楽しみながら、必要としてくれる人たちに喜んでもらえる仕事ができたらと思っていますが、まだコロナの終息は見えていないし、先の予想もできません。もし美容師を続けられなくなってもあたふたせず、『時がきたな』というスタンスで次の道に進める自分でいたいですね」

最後に、20〜30代の若手層に向けて伝えたいことを聞いた。
「自分の経験を踏まえると、若いうちに知らない国を旅して、いろんな価値観に触れてみてほしいなと思います。準備万端で行くより、『おもしろそう!』という直感を頼りに勢いで動くほうが、より得るものが多い気がします。
そのうえで、人と比べて自信をなくすのではなく、もっと自分自身の内面を見てほしい。得意なことは得意すぎて自分では気づけないこともあるから、外国のようなまったく違う環境に飛び込んでみることで、自分の得意や苦手がクリアになると思います。苦手なこと、やりたくないことはやめて、好きなこと、得意なことを伸ばしてほしい。人生には嫌なことをしている時間なんてないですから」
もうすぐ40代になる筆者は、梅沢さんの話に深い共感を覚えながら、どこか自分自身へのアドバイスのようにも聞いていた。50代を前に言葉もままならないままフィンランドに移住し、見知らぬ土地で生き生きと働く梅沢さんを見ていて、年齢にとらわれて尻込みしていてはもったいないと思えた。きっと想像しているより、50代からの人生は可能性に満ちている。
編集/大森奈奈
ご意見をお聞かせください
FRaUでは、SDGsに関する意識調査アンケートと、「FRaU×SDGsプロジェクト」の会員登録を実施中。回答された方には、今後開催予定のワークショップやパーティなどのお知らせ、SDGsの最新トピックスをメールでお送りします。