1年間で2万人が死亡…じつは風呂に「10分以上」入ってはいけなかった…!

大量の突然死を招いている
週刊現代 プロフィール

「気持ちいい」が要注意

浴室熱中症の怖い点は、冒頭の70歳男性のように、既往症がなく、本人も家族も「健康だ」「元気いっぱいだ」と思っていたのに、ある日突然、犠牲になってしまうことだ。

昨年の11月に浴槽でうたたねをしていたところ意識を失い、浴室熱中症と診断された埼玉県在住の65歳男性が語る。

「あの日は長引いていた風邪が治り、4日ぶりに温かい湯船に入ることができる日でした。体を思い切り温めてやろうと張り切って、湯温をいつもの40度から42度に上げて入浴したのです。

お湯に浸かってしばらくすると、全身から力が抜けるような、ふわふわとした感覚がやってきました。それが気持ちよくて、ついつい湯船で目を閉じてしまいました」

しかし、男性が次に目を覚ました時、彼は病院のベッドに寝かされていた。

 

男性の娘(48歳)がその日の父の様子について振り返る。

「父はもともと長湯で、1時間以上お風呂に入ることも珍しくありませんでした。あの日もお風呂に入ってから10分間ほどは鼻歌が聞こえていたのですが、気が付いた時にはそれが止まっていた。

時計を確認すると父が入浴してから30分以上が経過していたので心配になって見に行ったところ、浴槽のへりに仰向けでもたれかかるように湯に沈んでいたのです」

娘が慌てて救急車を手配したおかげで男性は一命をとりとめたが、医師からは「あと数分発見が遅れていたら溺死していた」と告げられた。

「先生からは体が温められすぎて熱中症と脱水を起こしていた、と言われました。また、入浴中に感じたふわふわとした心地よい感覚は、リラックスしたことによる眠気ではなく、熱中症による意識障害だとも言われたのです」(同・男性)

このように、高齢者はお湯により体が温められている心地よさと、熱中症の症状との区別がつかなくなってしまう。

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