1年間で2万人が死亡…じつは風呂に「10分以上」入ってはいけなかった…!

大量の突然死を招いている
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10分以内にするためには

ならば、入浴自体をやめたほうがいいかと言えば、そうではない。適切な入浴が健康の維持に役立つということも立証されている。東京都市大学教授で医学博士の早坂信哉氏が解説する。

「私たちの研究では、定期的な入浴の習慣がある人はそうでない人に比べ、要介護になるリスクが3割軽減されているということが明らかになっています。

また、今は新型コロナウイルスの影響で家にこもりきりという方も多い。そのため、積極的に温浴により血流を促してあげるべきです」

では、浴室熱中症のリスクを回避しながら入浴を楽しむためにはどのような注意が必要なのだろうか。早坂氏が続ける。

「浴室事故回避のために、消費者庁も41度以下のお湯での『10分以内』の入浴を推奨しています。

その上で試していただきたいのが、10分間続けて入浴するのではなく、5分湯船に入ったあと、体を洗うなど一旦湯から上がり、その後また5分間湯に入るという方法です。

一度湯から上がることによって、上がり続けるはずの体温が横ばいもしくは低下するため、体への負担を大きく減らすことができるのです」

 

また、脱水を防ぐためには入浴前の水分補給も大切になってくる。

「大塚製薬が行った研究によると41度のお湯に15分入ると、汗として約800㎖の水分が失われると明らかになっています。このことからアルコールやカフェインの入っていない飲料をコップ1杯程度は飲んでから入浴することを習慣づけるべきです」(前出・早坂氏)

湯に入る時間を10分以内に調整するほか、そもそも全身で熱い湯に浸かることを避けるという対処方法もある。前出の笹井氏は、入浴前の足湯の有効性を提唱する。

「41度以下のお湯だとぬるく感じてしまう人は、入浴前に、先に足湯に入ることをお薦めします。湯に浸かっている面積が少ないため、足湯だと熱中症になる心配がなく、体が温まる感覚が得られるのです」

さらに、脱衣所や居間といった居住空間の室温を上げることも効果的だ。

「WHOは冬季の家屋内の温度を最低でも18度以上に保つよう勧告しています。しかし、国土交通省の調査によると日本の家の9割がこの条件を満たしていないのです。

居間の室温は平均で16・7度、脱衣所に至っては12・8度と冬の日本の家はかなり寒い。居住空間を今より2度から5度温めれば、無理に熱くて危険な温度の湯に入浴する必要もなくなり、リスクを低下させます」(笹井氏)

過ぎたるは及ばざるがごとし。冬の寒い日、熱い湯船に体を沈めて一息つくのは至福の時間だが、その幸せは死と隣り合わせであることも覚えておきたい。入浴時間が10分以上、それは死を告げる刻限かもしれないのだ。

発売中の『週刊現代』ではこのほかにも「大反響第3弾『特売のタマゴを買ってはいけない』『生卵なんて食べてはいけない』」「結局、大学なんて関係ない ソフトバンク新社長に学ぶこと」「人生、最後の最後に失敗しないために」「すべての異変は『のど』から始まる」などを特集で掲載している。

『週刊現代』2021年2月20日号より

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