
【育児トップブロガー・オギャ子の「捨てる育児」#13】
特徴的なイラストで展開される痛快育児エピソードが圧倒的人気を誇る、3人兄弟の母で育児トップブロガーのオギャ子さん(ブログはこちら)。
3児を育てる中で、「これは引き算できる!」or「いや、これは流石にできない…」と学んだ子育てについて、自身の経験談から書き下ろしの漫画と写真とともに教えていただく本連載『捨てる育児』、第13回目のテーマは「働く理由」について。
家族で安心して暮らすため、そして3人の子どもを育てるために、給料は高いけどとてもハードな仕事をしていたオギャ子さんの夫。転勤を繰り返し、その後1人単身赴任の生活を送る最中、妻であるオギャ子さんは3兄弟のワンオペ育児をしながら自身の仕事に家事に…と多忙を極めていました。そんな慌ただしく余裕のない生活を送る中で、夫婦ともにぶつかった「ある疑問」とは? 今回は、悩みに悩んだ末に下した「大きな決断」について教えていただきました。
オギャ子さんのインスタグラム「オギャスタグラム」でもまだ出していない、未公開エピソードをご覧ください。

オギャ子(おぎゃこ)
1982年、大阪生まれ。アメブロトップブロガー。マイペースなちゅんたん(長男)、心優しく激しさも持つゆいたん(次男)、甘え上手なほーちゃん(三男)という三兄弟の母。夫は輪郭が四角いことから「四角」と呼ばれている(オギャ子さん命名)。転勤族だったが、最近ついに一軒家を購入。四角さんも転職し、いまは家族みんなで大阪住まい。
イラスト・文/オギャ子
後悔しない人生を手に入れるために
夫が「手放したもの」
\右にスクロールしてお読みください!/
あなたが働く理由は何ですか。
私達の夫婦が働く理由は家族が安心して暮らせるため、そして3人の子どもを育てるためです。
夫は就職する時にお給料の高さを優先して職業を選択しました。
もちろんやり甲斐も重視していましたし、興味のある分野でもありましたが、一番の働くモチベーションは「俺一人で家族を養えるだけのお給料を持って帰ってくる」、ここにあったように思います。
よくある典型的な亭主関白系だった夫が家族のために転職することになろうとは、それも会社員をやめて畑違いのフリーランスになろうとは、当時誰も予想していませんでした。
帰宅も遅く、週末もゴルフや接待(ここ数年でめっきりなくなりましたが)、次男が赤ちゃんの頃なんてロクに抱っこもしたこともなく、三男にいたってはどんな赤ちゃんだったか覚えてすらいないぐらい仕事に打ち込んできた彼と、それを支えてきた私。
しかし月日は流れて私も仕事をはじめ、専業主婦家庭から共働き家庭へと変化していきました。さらに子どもたちの進路のことを考え2年前に母子で出身地の大阪へ戻ってきました。
そこから単身赴任生活が始まりました。
それまでも家庭のことは私がほとんどやっていたので単身赴任になってもこなせるような気がしていたんです。
今までやってきたこととさほど変わらないような気がしていたのです。
しかし同居の上でのワンオペ生活と、単身赴任は似ているようで全く違いました。
ちょっと話を聞いて欲しい時にも、子ども達をピシャッと叱って欲しい時にも、重いものを持って欲しい時にも、壊れた機械を見て欲しい時にも、すぐに手の届く距離にいない事はどうしようも出来ないんです。
ちょうど私自身、出版の仕事が重なった事もあり、ひっちゃかめっちゃかどころの騒ぎじゃないぐらい家の中は大変なことになっていました。
疲れ果てて床で寝てしまって朝を迎えるなんてこともザラ……子どもたちの面倒もろくに見てあげられず、忘れ物は多いわ朝もバタバタだわ習い事では「落ち着きがない」と言われるわで……はぁ……どうしてこんなにうまく出来ないんだろうと落ち込むばかり。
一方夫は家に帰ってもひとりなので早く帰りたいという気力もなくなるし、食生活も適当になるし、子ども達の寝顔も見られないし喋り相手もいない。
妻は妻で必死で常に疲れてる、夫は夫で必死で常に空しい。
私達一体なんのためにここまでして働いてるんだろう……
なんのために家族離れて暮らしてるんだろう……
自然と何のために働くのかという疑問が沸いてきて、さらにいうと、私達は何のために生きてるんだろうかと、大きなテーマについても考えるようになってきました。
体も元気で動きたいように動けて、行こうと思ったらどこにでも行けて、なんだって出来る30代。
子ども達もまだ小さいけれどあっという間に巣立っていってしまうだろう。
彼らと暮らす時期は長くてもせいぜい17年。(下の子が5歳だったので)
この人生の黄金期を身を粉にして働くためだけに費やしてしまっていいのだろうか。
確かに子どもを育てるためにお金は必要だけれど、人生の中で子どもを育てるということほど大仕事ってあるだろうか。
死ぬときに思い出すことって「もっと働けばよかった」だろうか?
いやそんなはずはない。
このままじゃ私達は死ぬときに「もっと家族と一緒にいればよかった」「子どもの可愛い時期をもっと楽しめばよかった」そう思って死んでしまうんじゃないだろうか……
そう夫婦で共通の思いを得られた時に、夫は退職を決めました。
今の営業の仕事のままじゃどうしても家族との時間を削らざるを得なかったからです。
しかし退職理由=家族との時間を増やしたい、妻のサポートをしたい、いまだかつてこんな理由で退職した人はいなかったのではないでしょうか。(少なくとも夫の会社には)
他の製薬会社にうつるわけでもないし、全くの畑違いの不安定なフリーランスになるので、周囲の反応はだいたい「スゴイね……」でした。
どういう意味の「スゴイ」だろうか……。
賞賛のスゴイというよりかは「よくやるね」のスゴイのニュアンスに近いような気がします。
「これからかかる学費とかどうするの?」や「子ども3人育てるのに大丈夫なの?」といった直球の質問もありましたし、
「やめなくても大阪に異動させてもらったら?」という意見も当然言われました。
私達もいろんな選択肢を考えました。
が、仕事のスタイル自体をかえないことには自分達の思い描く人生プランを歩めないと判断し、一大決心をしてこの度夫は会社をやめることになったのです。
たくさん悩みましたし、たくさん話し合いました。
お金も当然大事なので金銭面での不安もありました。
ですが、何かを得るためには何かを捨てなければいけない事もある。
私達の人生の目標は一体何なのだろうかを見つけ直し、シンプルに死ぬときに後悔しない生き方をしたい、そこだけを考えて転職を決めました。
この選択を後悔することになるかどうか、今はまだわかりませんが後悔しないようにひたすら頑張るのみです。
▼他のオギャ子さん記事もチェック!
【#1】人気ナンバー1育児ブロガーが育児で捨てた「昼寝の呪縛」
【#2】朝起きたら1歳の息子がいない…扉の向こうで母が見た衝撃的な光景
【#3】振り返ったらすごかった…3児の母が絶句した「キッチンの惨劇」
【#4】3児の母が思考停止。なぜ家の中が「スケートリンク」に?
【#5】仲良しと思ってたけど…遊びに来たママ友「悪気なき善意」の攻撃力
【#6】夫の「休みの日ぐらいゆっくりさせて」にモヤる妻の本音
【#7】「子どもを抱っこするのが苦手」な母は「母親失格」ですか?
【#8】1歳児の奇襲攻撃に困り果てた母を救った「ある行動」
【#9】お菓子購入、生活のお世話…「親として甘すぎない?」の基準とは
【#10】シーツ毎週変える?3児の母がベッドで見た「スゴイ光景」
【#11】もう抜けられない?帰省できずにやむなく選んだ「自堕落正月」
【#12】中学受験する、しないで親子大バトル!母が完敗した「9歳の名言」
▼オギャ子さんのブログ
「kosodatefulな毎日」にも痛快子育てエピソード盛りだくさん!