「改革」「変革」は文化の否定…!?
「改革」「変革」という一見刺激に満ちたこれらの表現は、この学校文化の特質を理解していないからこそ出てくるのではないでしょうか。

「わが校は系列大学への進学者を減らし、一流大学に○○名以上送り込みます」
「いまの時代に求められているのは社会の即戦力。だからこそ、中高ともにキャリア教育に力を入れます」
「世界に伍するリーダーになるために、ICTをフル活用して、その能力を育成します」
一見歯切れのよい発言ですが、これらはその学校の過去、つまり、卒業生たちの構築してきた学校文化の否定にもつながっているのです。
もし、学校の言う「改革」「変革」が上手くいかなければ、間違いなく数年後にはこんな発言をするでしょう。
「わたしたちの学校は来年から劇的にその教育手法を変革します」
近年、その手の新興校がたくさんあるような気がします。
「伝統」にただ寄りかかっている学校も良くはありませんが、創立以来培われてきた「教育観」を重んじる伝統校は、ちょっとやそっとでは揺るがない教育の「軸」を有している可能性が高いのです。
このような観点でいろいろな学校を調べてみてはいかがでしょうか。
大学合格実績のマジック
さて、保護者がわが子の受験校を考える際に、書店で売られている分厚い「学校案内(入試案内)」を見ることがあるでしょう。
学校の校風や行事など気になる情報がふんだんに盛り込まれていますが、正直に言えば「大学合格実績」が一番気になるという方が多いのではないでしょうか。
「あの学校は早慶上智合計200名合格だって。すごいなあ!」
「卒業生数150名のこぢんまりとした学校なのに、MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)以上のレベルの大学に140名も合格しているって。この学校に進学できれば、間違いなくそういうレベルの大学に入れるのね」
そんな保護者に、ここで冷や水を浴びせるようなことを申し上げます。