2021.02.16
# 学校・教育

「共学じゃないと異性への距離感が分からなくなる」はホント? 男女別学の「長所」と「短所」

令和の中学受験 保護者のための参考書(7)
矢野 耕平 プロフィール

生身の「人間」同士の付き合い

また、わたしの観察した限りですが、男女別学出身者のほうが中高時代の付き合いが大人になってからも続く傾向にあるようです。男だけ、女だけの環境は「性別を消滅」させ、生身の「人間」同士としての付き合いになるからではないでしょうか。

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わたしは2015年に『女子御三家 桜蔭(おういん)・女子学院・雙葉(ふたば)の秘密』(文春新書)という本を上梓しましたが、この本を執筆する上でこれら三校の学校関係者や卒業生たちに取材を重ねました。

その中で、女子学院の元院長である田中弘志先生が「女子教育」の意義を端的に、こんなふうに言い表していたのです。それをここに引用してみましょう。

〈彼女たちにとって人生の多感な時期に女性だけで学ぶ意味は、男性の目を意識しないで伸び伸びと飾らずにありのままの自分を出せるという点がまず挙げられます。たとえば、容姿に劣等感を持っている子。男性の前だとそれに引け目を感じている子であっても、女性の中だけだと自分が身に纏ったものをすべて剥ぎ取って『良いところ』も『悪いところ』もさらけ出せる。自分の持つ『光るもの』を周囲に評価してもらえる環境があるのです〉

10年前にベストセラーとなった『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)の著者であり、漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんが『女子校礼讃』(中公新書ラクレ)という本で、この田中先生の弁を女子目線でやわらかく表現されていました。そういえば、辛酸なめ子さんも女子学院出身です。それを一部紹介しましょう。

〈「女子校はドロドロしてそう」と言われがちで、たしかに校風が閉鎖的だったりするといじめが発生することもありますが、共学の女子同士よりも平和な人間関係を築いていると思われます。共学では男子をめぐって女子同士はライバルで、モテがヒエラルキーの上位になるための重要な要素ですが、男子がいない女子校では皆仲が良く、美人じゃなくても生命力が強い人や個性的な人、何かに秀でている人が人望を集めます

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