小室圭さん問題いよいよ深刻化…ついに官邸が「問題解決」のため動き始めた…!

美智子さまの心労は重なる
川邊 克朗 プロフィール

この人事は当時、庁内外で、「粛清人事」と囁かれた。というのも、「陛下の生前退位の決意が固いことを知る秋篠宮さまの意を受けて、西ヶ廣主管がNHK記者を秋篠宮さまに引き合わせていた」(全国紙記者)、「一歩間違えば、秋篠宮さまの政治的言動と受け取られかねない」(宮内庁関係者)だけに、慌しく宮務主管を加地隆治元皇宮警察本部長に差し替えたというのである。

そして翌2017年12月の皇室会議で、2019年4月30日をもって明仁天皇が退位することが決定し、官邸主導で事態はひとまず収拾した。加地氏も、天皇の代替わりに伴い新設された皇嗣職の「大夫」に持ち上がっている。

この動きは、官邸が皇室・宮内庁に対して影響力を強める体制への第一歩だったと言える。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

宮内庁では、侍従職、東宮職、式部職の、三つの部署を総称して「三職」と呼ぶが、2019年当時それぞれのトップには河相周夫侍従長、小田野展文東宮大夫、秋元義孝式部官長が就き、これに西ヶ廣主管を含めた四ポスト全て外務省出身者で占められていた。

とりわけ、東宮職は皇太子妃・雅子さまが外務官僚から宮中入りしたこともあり、雅子さまに仕える人々は父・小和田恒元国連大使の外務省人脈で固められ、「外務省の一外局」と揶揄されるほどであった。

しかし、宮務主管交代劇で、外務省による「宮内庁支配」の一角を崩した上、「宮内庁改革」を模索する警察庁が初めて要職を奪取することになった。警察庁出身の杉田副長官にとっては正に“一石二鳥”。なお、官邸と警察庁の相性は非常にいい。

ただ、安倍官邸が「生前退位」問題を皇室典範の改正まで踏み込まずに、特例法によって「お茶を濁した」(閣僚経験者)ため、明仁天皇の退位は、「皇太子不在」つまり「皇室の空洞化」、ひいては「皇室有事」の始まりだったかもしれない。

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