毎日使っているお金。その本質について考えたことがありますか? お金の本当の姿を知れる「マネー・ライブラリー」へ、ようこそ。

トミヤマユキコさんが選書
やっぱりお金はコワイから…。

「人間にとってお金とはなんなのか?」という究極の問いを、極限まで煮詰めたものを飲まされるようなしびれる感覚を味わえたり、見栄っ張りなOLの人生を通してお金の本当の恐ろしさを知ったり、継続的なお金の使い方を学ぶヒントを得たり。いつでも手に取りやすい身近な存在の漫画にも、お金について考えるヒントがちりばめられています。

『銭ゲバ』
ジョージ秋山/著

金がすべてだといわんばかりに、何にでも手を出して上り詰めていく風太郎から目が離せません。たいていの人間はお金の前では無力! 金は権力でもあるので、その魅力に取り憑かれてしまうと、もう後戻りは出来ないんでしょうね……。(幻冬舎)

『ヘルタースケルター』
岡崎京子/著

全身整形で人気モデルの座を手に入れた女の物語。整形手術後のメンテナンス費を捻出できず、大変なことになっている女性たちが出てきてゾッとしてしまいます。長期的・継続的なお金の使い方を知らないと人生詰むなと教えてくれる一冊。(祥伝社)

『闇金ウシジマくん』
真鍋昌平/著

恐ろしい高利で金を貸し付けている丑嶋と彼の客が繰り広げる、重くてエグい闇金ライフ物語。まずは1巻の「若い女くん」だけでも読んでほしい! どこまでも続いていく負のスパイラルにビビることで、健全な金銭感覚を養えるはず。(小学館)

PROFILE
トミヤマユキコ
ライター
東北芸術工科大学芸術学部講師。女性誌などに漫画に関する連載を持つ。著書に少女漫画に出てくるブサイク女子について考察した『少女マンガのブサイク女子考』(左右社)など。

 

高石智一さんが選書
お金から自由になろう

雑誌編集をしながら、スーパー銭湯で清掃のバイトをはじめました。PCから離れる時間を強制的に持つことで頭がクリアに。それと同時に今までいかに自分がお金を稼ぐことで得られる刺激に慣れすぎていたのかに気づいたんですよね。生活はお金だけでなく、何をするか、誰と過ごすかで、いかようにも深みを持つと教えてくれた3冊を紹介します。

『無駄なことを続けるために-ほどほどに暮らせる稼ぎ方-』
藤原麻里菜/著

「お金は持っている方がいい」「男は稼ぐ方がいい」といった刷り込みを一掃してくれる“新しい”ビジネス書。発明家である著者の、やりたいこと(=無駄なこと)を続けるために稼ぐ、というスタンスに共感。大事なのはお金より目的です。(ワニブックス)

『「山奥ニート」やってます。』
石井あらた/著

山奥で、お金に囚われない“持続可能なニート”を目指す石井さんたちの記録。最近「もし仕事がなくなったら」と不安になるのですが、彼らの自由な暮らしぶりに明るいヒントをもらえます。働いていない人の考え方こそ、僕らのセーフティネットです。(光文社)

『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』
スズキナオ/著

大阪在住ライターのエッセイ。あえて最先端ではなく、お金になりそうにない最後尾を楽しく歩く著者の姿に憧れます。ググっても絶対に出てこないものを見つける嗅覚が鋭すぎる! 読後、友達に久しぶりに連絡したくなりました。(スタンド・ブックス)

PROFILE
高石智一
編集者
たかいし・ともかず/雑誌『週刊SPA!』の編集のかたわら、『アル中ワンダーランド』(まんきつ著)や、『夫のちんぽが入らない』(こだま著、ともに扶桑社)などの話題本を担当する。