2021.03.19
# 不動産

最悪、裁判沙汰も!「騒音トラブル」が続出する「フローリングへのリフォーム」の注意点

新型コロナの影響で、在宅ワークが推奨されるようになった昨今。その結果、増えているのが「騒音トラブル」だ。建築音響の第一人者で、新刊『マンションの「音のトラブル」を解決する本』を出版した井上勝夫氏によれば、とくに要注意なのは「フローリングへのリフォーム」だという。無用な争いを避けるために押さえておくべきことを、実際にあった事例とともに教えてもらった。

「遮音性」を最優先しよう

リフォームにともなう音のトラブルで一番多いのが、上階のリフォーム後に、前より上階からの音がうるさくなったという苦情です。とくにカーペット敷きの床からフローリングに替えたときは、ほぼ間違いなく下階の住人は上階からの音がうるさくなったと感じます。

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カーペットからフローリングにリフォームするさいは、苦情が起きるのを前提として、どう対処するか、考えておく必要があります。

カーペット敷きの場合、下階に聞こえる音はコンクリートの厚さやカーペットの種類にもよりますが、だいたい「LL-45」くらいの遮音性能です。それに対して、現在、フローリングの床材は、音を防ぐ程度によって、「LL-60~LL-40」まで細かく性能がわかれています。

なお、床材の商品に記載されている「LL-○○」の値は、コンクリートスラブが150ミリメートルの床に施工した場合の推定遮音性能です。

遮音の性能が高くなればなるほど、価格があがりますが、そこをケチって、近隣の住戸と気まずくなったり、音を気にして24時間、ビクビクしながら生活するようになっては元も子もありません。

 

もし現状がカーペット敷きなら、カーペットの遮音性能は「LL-45」と考え、フローリングの床材も「LL-45」以上に相当する製品を選ぶことを強くおすすめします。管理組合では、「リフォームのさいの床材はLL-45相当以上」といったルールをもうけているところもたくさんあります。そうしたルールを守るのは当然です。

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