超難関「東大医学部」は低迷…でも7年ぶりに「国公立医学部」が人気な理由

カギを握るのは、新設の「共通テスト」
庄村 敦子 プロフィール

自己採点結果集計サービスでは、受験生から共通テストの自己採点結果と志望大学の情報を集め、各大学のボーダーライン、受験者の成績分布などの情報を提供する。約8割の受験生がこのサービスを利用するため、出願する大学、学部・学科を決めるときの大きな要因となっている。

河合塾が提供する同様のサービス「共通テストリサーチ」の結果も、駿台と同じ傾向を示している。河合塾教育情報部チーフの岩瀬香織さんはこう話す。

「昨年の夏の模試以降、医学部、薬学部、獣医学部など資格を取れる理系の学部が人気です。リーマンショックのあと、これらの学部の人気が高まったときの状況と似ています。『共通テストリサーチ』の結果も、国公立大学医学部の志望者数は昨年より増加しました」

駿台と河合塾、大手二つの予備校が実施した模試の志望動向、また共通テスト直後の自己採点集計の段階では医学部志望者が増えていた。しかし、いざ出願になったとき、実際に出願した受験生がそこまで増えなかったのはなぜだろうか。

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駿台の石原さんは、共通テストにカギがあったのではないかと分析する。

「『昨年よりも平均点が下るだろう』と言われていた共通テストですが、思ったよりも得点できた受験生が多かったようです。強気に医学部を志望したものの、ふたを開けてみれば平均点は昨年のセンター試験並みで、合格の目標ラインが上がりました。

また、6年ぶりとなる得点調整によって、化学、物理の受験者に加点され、生物選択者のアドバンテージがなくなったことなどから、難関の医学部出願を断念した受験生もいたのだと思います」

得点調整は、共通テストの理科、地歴、公民の選択科目間で平均点に20点以上の差が生じたときに行われる。科目の難易度の差によって不公平にならないように、統計的な処理を施したうえで、平均点が低い科目の受験者に加点する制度だ。

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