2021.03.18
# 本

「妊娠検査薬」は実はノーベル賞級の発明であることをご存知ですか?

生物学者も驚く「二本線」の仕組み

今や、妊活には欠かせないアイテムとなった妊娠検査薬。「尿を浸して検査するアレでしょ」ということぐらいは多くの人が知っているだろう。

しかし、「その原理を説明せよ」と言われて、正確に答えられる人はどれだけいるだろうか。

福岡ハカセこと生物学者の福岡伸一氏は、新刊『迷走生活の方法』(文藝春秋)で、タンパク質を利用した妊娠検査薬の原理を明かしている。細部にまで工夫が凝らされたその仕組みとは――。

『迷走生活の方法』

アンネがない時に

福岡ハカセが少年だった頃、「アンネがなければできちゃった」という歌詞の一節が流行ったことがあった。しかし、おぼこい少年だったがゆえに、当時はまだ、その意味するところはわからなかった。

アンネという言葉は、今では古臭い言葉となり(そもそもこれは『アンネの日記』で、筆者が自分の身体の変化をためらいながらも肯定的に受け入れている記述から採られている)、隔世の感がある。

でも、この歌詞で歌われている感情の機微は今も同じ。つまり、「いっときの激情に流されるままコトに至ってしまったが、来るはずの次のアンネ=生理がその時期になってもこない、ひょっとしてできてしまったのか」という若気の至りの心理なのだが、では、「できちゃったかもしれない」の後は、どうすればよいのだろうか。

 

予定の生理がこない場合、昔は妊娠しているのか否かを確かめる方法は産婦人科に行くしかなかった。しかし、今では薬局に売っている妊娠検査薬によって、産婦人科に行く前にセルフチェックすることができる。

最近では、妊娠検査薬は妊活のために使われるアイテムでもある。妊娠を心待ちにしている場合は、「アンネがなければバンザイ」となるわけだ。

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