5場所連続休場の横綱白鵬「進退」言及は妥当な判断なのか

稀勢の里は8場所連続休場だったが

「7月場所で進退を賭ける」

大相撲3月場所3日目の朝、横綱白鵬が休場を発表した。

2日目の取組後、蹲踞(そんきょ)すら苦しそうな様子からも限界だったことが伺えるが、話によると、新型コロナ感染以降、右ひざに慢性的に水と血が溜まるようになったため、それらを抜く処置を既に9回も繰り返していたのだという。

張り差しからの速攻で先場所優勝の大栄翔を寄せ付けなかった初日の取組は鬼気迫るものがあったが、土俵際で逆転を食らいかけるほど直線的かつリスキーな攻めだったことは間違いない。

それほどまでに追い込まれながらもしっかり張り差しを決めて勝ち切ったことは流石だったが、当たりの強烈な大栄翔に勝つには出足を止めて持っていくあの形しか無かったのではないだろうか。

Gettyimages

幕内の平均体重が一時160キロを超えるほど最近の大相撲は大型化が進んでおり、アクシデント的に故障する力士、幕内に対応する前に故障する力士が後を絶たず、全体的に満身創痍と言える状況だ。

白鵬はそんな中でも、勝ち続けることによって無理な態勢や体への負荷の増大を回避してきたのだが、横綱としての在位が100場所に到達したところで遂に誤魔化すことが出来ないところまで来てしまった。

これで白鵬自身初となる5場所連続の休場となった。前回、千秋楽まで完走したのが昨年3月の無観客場所までさかのぼることを考えると、白鵬の苦しい状況が分かることだろう。この場所で朝乃山はまだ関脇だったのだ。

白鵬不在の間に勢力図は変化した。正代が大関に昇進し、照ノ富士は今場所での大関昇進を賭けて闘っている。隆の勝は関脇に定着し、高安が小結に帰ってきた。新鋭の台頭、実力者の復活、そして次世代力士の成長。彼らは今の位置に定着してからほぼ白鵬と対戦していない。

 

宮城野親方の談話によると、白鵬は「7月場所で進退を賭ける」というコメントを残したという。膝を手術し、5月場所は全休するということだ。稀代の大横綱の口から聞かれる「進退」という言葉には重みがある。嫌が応にも白鵬時代の「終わり」を意識せざるを得ないからだ。

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