過去イチの評価を受けた日本人ルーキー
近年のF1といえば、資金力があるリッチなドライバーたちが実力以上に優遇されてきたという印象もある。富豪のバックアップをもらったドライバーたちが日本人F1ドライバーのシートやチャンスを奪っていったことも過去にあった。
そういう状況に日本のF1ファンの多くは辟易し、いつしかF1への興味を失い、最高峰レースとしての価値を見出せなくっていった。
しかし、角田の実力は認められた。F1はビジネス的側面も強いスポーツだが、本当に速いレーシングドライバーが求められる要素もちゃんと残っている事が示されたのだ。そういう点でも角田のF1デビューは大きな意味があるトピックである。

角田は昨年のFIA F2で世界中のモータースポーツファンの心を捉える走りを展開し、FIA(国際自動車連盟)から「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。FIAが管轄するF1を含む全てのレースの中で、「2020年を象徴する新人は角田」と認められた。
2014年から制定された同賞はマックス・フェルスタッペン(2015年)、シャルル・ルクレール(2017年、2018年)らが過去に受賞。FIA F2での受賞はルクレールに次いで角田が2人目となり、F1直下のジュニアカテゴリーでここまで高い評価を得た日本人ドライバーは過去にいない。
なにより、角田と同時にハースからF1デビューするのが、ミハエル・シューマッハの息子であり、2020年のF2を制したミック・シューマッハである。ミックの一挙手一投足に注目が集まるのは必然だ。
しかし、
サラブレッドであるシューマッハの知名度に乗っかった方がF1全体としても得な気がするが、これだけ日本人ドライバーをF1パドックが持ち上げることが異例なのだが、実力でF1を動かし始めているのが角田なのだ。