2021.03.29
# 中国

「金の卵を産むガチョウ」を絞め殺す習近平政権に未来は無い

米欧、華僑も金の切れ目が縁の切れ目

鄧小平が「金の卵を産むガチョウ」を出現させたが

一時期、「中国4000年の歴史」という言葉が流布した。しかし、それは「エジプト5000年の歴史」、「イラク(メソポタミア)5000年の歴史」と同類の話である。

例えば、現代エジプト人は古代エジプト人の子孫だが、ファラオに統治された古代エジプトと、イスラム国家であり古代の神々を完全否定するイスラム国家を直接的に結び付ける人々は少ないであろう。

同じように、古代中国と1949年以降の共産主義中国との直接的なつながりは無い。むしろ、建国当時はすべての中国の過去を否定し、貴重な遺物の破壊を続けた。

しかし、「古代中国」が西洋人などに人気のブランドであることに気がついた中国共産党は、イスラム国家がピラミッドなどの「古代」を観光資源化したのと同様に、「孔子」などの古代ブランドを最大限に活用したのだ。

しかも、全エジプトが統一された「初期王朝」はおおよそ5000年前には誕生していたが、秦の始皇帝が中国を統一したのは2000年あまり前の事にしか過ぎない。

しかし、共産主義中国が古代王国である「秦」から受け継いだものが1つだけある。それは「焚書坑儒」という言葉に代表される「思想統制と強権支配」である。

共産主義中国を建国した毛沢東は、まさに始皇帝のように振る舞い、西側推計で8000万人もの中国人民を死に追いやった。つまり、中国大陸の統治システムは2000年以上前に回帰したのだ。

その毛沢東が焼け野原にした中国で、灰の中から不死鳥のようによみがえった鄧小平が推進した「改革・開放」が、「中国奇跡の成長」の最大の貢献者であることは、2019年1月9日の記事「客家・鄧小平の遺産を失った中国共産党の『哀しき運命』を読む」で述べた。

by Gettyimages

鄧小平は、64天安門事件の責任を負う長老グループの一人であり、「共産主義独裁」の信奉者ではあったが、「白猫でも黒猫でもネズミを捕るのが良い猫だ」として、共産主義体制の中での限定的な「自由主義」を認める知恵・知性は持ち合わせていた。

しかし、習近平氏はそうではないようである。「悪夢の毛沢東路線」への回帰を鮮明にしており、現代の「焚書坑儒」だけではなく、アウシュビッツに匹敵するジェノサイド(大量虐殺)と欧米から非難される行為をやめる気配は無い。

この習近平氏の行為は、1978年以来の改革開放によって目覚ましい発展を遂げた中国経済を、毛沢東時代のような「北朝鮮よりも貧しい」状態に戻すことになる。

 

実際、利にさとい華僑たちは習近平政権から急速に離れつつあり、欧米の「人権問題追求」が厳しさを増しているのも「金づる」としての共産主義中国の魅力が急速に薄れているからだと考えられる。

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