“女芸人のくせに”に思うこと
芸能界に入ってからも、たとえ自分が直接被害を受けていなくても、いじめのようなものを見ると苦しい気持ちになり、「そういうのは、イヤです」と、はっきり伝えているという。
「“女芸人のくせに”みたいな言い方も、正直気持ちの良いものではないですよね。ひと昔前までは、『女芸人のくせに、何で髪染めてオシャレしてんだよ』などと言われる風潮がありました。でも、髪を染めて好きな服を着ることに女芸人かどうかって関係あるんですかね? オシャレして何が悪いのかって思うんですよ」
一方で、若い時は、自分自身が“女芸人”であることを過剰に意識していた時代もあったそうだ。
「とにかく男に負けたくなかった。男の芸人さんは裸になって笑いを取れるのに、どうして女芸人が裸になっちゃいけないのか、なんて考えたりして、あえて脱いだりしていた部分もあります(笑)。

でも、それは若かったからこそできたことかもしれません。昔と同じことを今やったら無理しているのが画面を通じて伝わってしまい、“おもしろい”ではなく“痛々しい”になってしまうかもしれない。10年ほど前にそれに気づいてからは、自分の芸も変わってきたと思っています」
リモート出演も含め、バラエティの形もどんどん変化している。また、大島さんのように結婚、出産を経て仕事を続ける芸人も増えてきた。
「出産や育児にしても、『芸人なんだから長期休業していたら忘れ去られる』といったこともよく言われましたが、妊活のために休業したり、育休もとったりしたけれど、おかげさまで復帰後もこうしてお仕事させていただいてます。
“女芸人だから”“女芸人のくせに”のイメージだけにとらわれていると、自分自身が行き詰まってしまう気がするんですよ。大事なのは、“女芸人かどうか”ではなく、自分の感覚と世間の感覚。それを肌でしっかり感じながら、肩ひじ張らずに、その時々の自分が思う“面白い”を追求していきたいですね」

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■大島美幸さんによるアニメ「どすこいすしずもう」オープニング主題歌踊ってみた動画
■絵本「どすこいすしずもう」シリーズ
撮影・水野昭子
スタイリング・マルコ マキ(ワンピース/Vanilla その他/スタイリスト私物)