いざという時、親も自分も後悔しない「介護施設」の選び方・「お金」の備え方
特養、サ高住、グループホーム…介護施設に入る3つのパターン
介護施設に入った時の平均年齢は、85~90歳となっています。一方で介護状態になる人は、75歳以降増えてきます。いつも通りの生活をしても、ちょっとした転倒や骨折で入院。
退院したら一人で生活できないので、要介護2の認定を受けて、介護施設に入ることもあります。介護の中でも要支援1、2、要介護1~5までの介護レベルがあります(下図)。
次に、介護が必要になった原因を見てみましょう。1位は認知症で17.6%、2位は脳血管疾患(脳卒中)で16.1%、3位が高齢による衰弱で12.8%、4位は骨折・転倒で12.5%、5位は関節疾患で10.8%。
大別すると、脳(症状としては認知症や脳卒中)と体(骨折や関節疾患)に大きな変化が起きることで、介護状態になる人が多いことがわかります。
介護施設に入るパターンは3つあります。
一番多いものが、急展開のパターン。転倒による骨折や脳梗塞で即入院して、退院後に介護施設に入所するというケースです。骨折箇所は大腿骨が多く、意外かもしれませんが屋外ではなく自宅で80%発生します。
私が相談を受けた高齢の女性は一人暮らしで、室内で転倒して骨折。定期訪問してくれるヤクルトレディが偶然見つけて、即入院することになりました。退院はしたものの以前のように歩行することが困難で、介護施設に即入居という人もいました。
2つ目が「家族限界型」のパターン。最初の頃は身体能力や判断能力の低下で、日常生活に多少の支障が出てくるものの、施設に入るほどではありません。介護認定を受けて、家族や公的介護サービスを受けながら、自宅で介護することになります。しかし、徐々に身体の衰えも顕著になっていき、家族介護の限界がきたタイミングで介護施設に入るというパターンです。
認知症の場合は、身体能力の低下ほど急速には進行しません。じわじわと症状に変化が起きます。身体的に問題はないが日常生活で判断能力が低下していると、施設に入るタイミングがわからないことが多いのがネックです。
最後は、自立型パターン。元気なうちに自分自身の判断で介護施設を探し、施設に入所します。この年齢が平均して79歳となっています。