自動車メーカーも工場をストップ
あらゆる機械製品に搭載される「半導体」不足が世界的に深刻化し、さまざまな影響を起こしつつある。
日本国内で言えば、半導体大手ルネサスエレクトロニクスの那珂工場(茨城県)の火災で生産ラインがストップ。それを伴い、ホンダは5日間、スズキも今月5日から工場を停止し、減産するという状況に追い込まれているのだ。
ひとくちに「半導体」と言っても、さまざまな用途・機能を持っているのはご存知の通りだろう。ルネサスが製造していた主力の半導体は自動車の基本機能である「走る・曲がる・止まる」を制御するマイクロプロセッサ(SoC)と呼ばれるものだ。
なお、ルネサスは火災からの復旧に1ヵ月以上かかると見られており、同社の供給に依存していた国内自動車メーカーは苦境に立たされている。

ちなみに、自動車向けの半導体不足の余波は、日本企業だけが受けているわけではない。韓国の現代自動車や、北米GMにフォードなど、さまざまなグローバル企業が原産を余儀なくされている。
その他、「半導体不足」が深刻になっている製品分野で言えば、PCのグラフィックボードの品薄が挙げられる。
「PCに搭載されるグラフィックカードには、GPUと呼ばれる画像処理半導体が搭載されています。この製品不足により、RyzenやGeForceなど、有名ハイエンドメーカーのグラフィックボードで売り切れが続出、値上がりしています。
もともと、巣篭もり需要によりPC周辺機器は需要が高まっている商品。オンラインゲームやYouTube動画作成の際にハイスペックな処理を要求されるため、実勢価格が値上がりしても買う人は買っていく」(経済ジャーナリスト)