コロナ「第4波」、ワクチン接種が世界から大幅に遅れる日本の「厳しい現実」

各地で新型コロナの感染が再拡大し、4月15日現在、大阪、兵庫、宮城、東京、京都、沖縄の一部地域に、4月20日からは、千葉、神奈川、愛知、埼玉の一部地域に、「まん延防止等重点措置」が適用されることになりました。

「医療ひっ迫」の問題と打開策、変異株のリアル、ワクチンを巡る疑問等について、世界の中で見た日本の状況といったことも含めて、改めて考えてみたいと思います。

〔PHOTO〕gettyimages
 

「病床が足りないから仕方ない」では済まない

「医療ひっ迫」が深刻化しています。

現在、感染状況が最も深刻な大阪府では、4月15日現在、重症患者の人数(261人)が病床数(241床)を上回り、中等症の患者の治療に当たっている病院は、容体が悪化した患者の転院先を見つけるのが難しくなっており、入院が必要な状態の患者の受け入れができない事態が懸念されています。

なお、「不急の手術を先送りするように」という話がありますが、「不急の手術」と言われた患者さんの気持ちを考えると、どうなのかなと思います。新型コロナ以外の疾病やケガの治療も重要であることに変わりはなく、実際、コロナ感染をおそれて通院しない・病院側が受け入れない等により、病状が悪化してしまうケースも様々な分野で報告されています。

これまで、各地の医療現場で治療に当たる医療従事者の方から、厳しい現状をうかがってきています。患者を救おうと奮闘される医療従事者の方の尽力は、それはもう大変なものです。だからこそ、病床が不足することで、救えるはずの命が救われない、ということがないように、関係する誰もが、周囲が、最大限の協力と工夫を続けていかなければならないと思います。

病床確保のためのやり取りを、個別に病院同士で行わなければならないために、その作業で現場が疲弊するといった事態も、避けるべきだと思います。

感染症対応において最も重要なことのひとつは、できる限り、亡くなる方を出さない、ということです。日本で最初の感染者が確認されてから1年3ヵ月経った今、「病床が足りないから、仕方ない」では済まされない、と思います。

関連記事