コロナ「第4波」、ワクチン接種が世界から大幅に遅れる日本の「厳しい現実」

豊田 真由子 プロフィール

世界の状況と比べてわかること

なんであれ、生じている問題を解決するためには、その原因を分析して特定し、障壁を取り除いていく、ということが必要であり、そのためには、状況を客観化・相対化してみることが有用だと思います。

下記の3つのグラフは、日本の感染者数等の推移、世界各国の人口100万人当たりの感染者数の推移、その中から日本を取り出したものです。

【日本の感染状況の推移】(厚生労働省アドバイザリーボード2021年4月14日)

これを世界の感染状況と比較してみます。

【人口100万人当たり各国の新型コロナ新規感染者数】(Our World in Data)

上記のグラフで、日本を取り出すと以下のピンク部分になります。

 

こうして見ると、人口当たりの感染者数が相対的にかなり少ない状況で、しかも、人口当たりの病床数が世界一である日本において、「医療ひっ迫」が起こってしまっているのであれば、それは「やはりちょっと、なにかがおかしい」ということになるのではないかと思います(※決して、相対的に数が少ないから大したことはない、といったような趣旨のことを申し上げているわけではありません)。

2021年1月下旬のデータで、全病床に占めるコロナ病床の割合は、日本は0.87%であり、英国の22.5%や米国の11.2%に比べ、10分の1以下です。

日本で新型コロナ患者を受け入れている病院を、設置者別に見ると、公立病院で約7割、民間病院では約3割です(2021年1月10日時点。厚生労働省)。

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