50代・実家住みの娘2人が「外で働かない」…88歳の父親が抱える深刻な苦悩

これまで、甘やかしてきたが…

88歳になっても、自身が経営する個人病院で医師として働く山下敏夫さん。本当は早々に引退したいのですが、50代の2人の娘さんとその家族を養うために、無給で働き続けるしかない状態です。このままでは娘さん2人が経済的に自立できないまま、倒れるまで今の生活を続けていくしかありません…。

敏夫さんの「ツラすぎる生活」を描いた前編記事はこちら
 →88歳になっても“働かされ続ける”…引退できない「高齢開業医」の悲惨な現実

【相談に訪れた山下家の家族構成】
山下敏夫さん (仮名・88歳、以下同) 病院経営者・医師
山下秀子さん (87歳) 敏夫さんの妻・病院の経理担当者

山下文彦さん (56歳) 長男、別の病院で働く医師 現在は子どもが1人
山下美代子さん(54歳) 長女、病院の事務 子どもが1人
山下貴子さん (52歳) 次女、病院の事務 子どもが4人

このままでは、娘たちの老後が悲惨…

前述のとおり、娘さん2人は父親の病院で事務の仕事をしています。そのため病院を閉めてしまうと、2人とも仕事を失います。数か月間は失業給付がもらえるとはいえ、すぐに仕事が見つかるとは限りません。

2人とも結婚していた時は専業主婦で、それ以外の時期にアルバイト経験もないため、敏夫さんは「50代で失業させて、初めての就職活動を強いるのは酷ではないか」と、感じているそうです。

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これまで美代子さんと貴子さんは、ハローワークに行ったことも、何か特別な資格を取得したこともありません。唯一持っているのは、敏夫さんの病院で働くために取得した医療事務の資格でした。

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