2021.04.15
# 中国

中国女性64%が「結婚が必要と思わない」で出生数減少がさらに加速

経済発展するほど結婚しなくなる

前年比12%減

中国政府「民生部」(日本の総務省に相当)は2021年2月19日付で発表した『2020年四季度民生統計数据(2020年第4四半期民生統計データ)』の中で、2020年通年の「結婚登記」件数は813.1万組であり、「離婚登記」件数は373.3万組であったと報じた。

by Gettyimages

中国メディアはその1か月後の3月19日になって、初めて当該ニュースを報じたが、その概要は以下の通りであった。

(1)2020年に31の一級行政区(省・自治区・直轄市)で行われた結婚登記の件数は813万組であった。2019年の結婚登記件数は927万組であったから、2020年はその900万組という大台を大きく下回ったことになる。また、813万組という2020年の結婚登記件数は2003年以降で最低の数字であり、過去最高であった2013年(1347万組)の60%に過ぎなかった。

(2)未婚者を対象に「結婚したくない理由」を問うアンケート調査を行った結果、女性の64.1%が「結婚が絶対に必要とは思わない」と答え、43.5%が「結婚による生活水準の低下を心配するから」と述べた。また、男性では「結婚するための経済的条件が整わないため」と答えた人が53.6%を占め、それが未婚を続ける最大の理由であった。

(3)中国では同一年における結婚登記件数に対する離婚登記件数の比率を「離婚結婚比(略称:離結比)」と呼ぶ。少し前の“微博(ウェイボー)”<注:中国最大のSNS>に「2020年第1四半期・一級行政区別離結比」という表が掲載されたが、同表で離結比の数字が顕著に大きかったトップ4は東北三省と天津市であり、それぞれの数字は以下の通りであった。
第1位:吉林省(71.5%)、第2位:黒龍江省(67.2%)、第3位:遼寧省(65.8%)、
第4位:天津市(63.6%)

 

上記のニュースが報じられると、中国のネット上では論議が巻き起こり、3月19日の夜6時30分までの時点で、「31の一級行政区における結婚・離婚データ」がホットワードとして注目を集め、検索回数は8.8億回を超え、書き込まれたコメントは6万件に達した。また、「東北三省の離結比」というワードの検索回数は2億回を超え、コメント数は1.3億件に達した。それ程に中国国民は「中国国内の結婚・離婚データ」に関心を持っているのである。

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