2021.04.15

マリエさん「枕営業」告発…それを全否定する「日本社会と芸能界」の深すぎる闇

全否定…でいいのか?

モデルのマリエが、インスタグラムのライブ配信で、過去の島田紳助からの「セックス要求」について告発し、ネット上を大きく騒がせている。この件に関して何よりも驚くのは、この話に対する芸能界や一般の人々の反応だ。

まず芸能界は「全否定」。現場にいたとして名指しされた出川哲朗、お笑いコンビ「やるせなす」は両者とも事実を否定しているが、その否定は「当事者の言い分」であるからともかくとして、まったく無関係なタレントの武井壮までが「パワハラして、女の子を自分の手ごめにして、俺の番組に出すから何とかってことってほぼ無理じゃない? そんなことやったら多分すぐ告発されて終わるでしょ。だから芸能界ってそんなところだって言われても、全然そんなところじゃないっすよ。すごい健全なところ」と想像上の根拠で、マリエの告発が不可能な話、つまりウソだと言っている。

さらに、ネット上ではこうした発信に賛同する一般の人々も少なくない。「名前を出された出川が迷惑だ」「証拠もない昔の話で人を傷つけている」「売名行為だろう」などなど。さらにはニュースサイトがマリエの告発記事を一斉削除したところもある。

マリエさん〔PHOTO〕Gettyimages
 

実は、広く見られた上記のような反応こそが、近年の世界的な「#MeToo」運動が広がった社会背景である。順を追って説明しよう。

もちろん、現段階では、彼女の告発内容は、事実かどうかはたしかめようがない話である。しかし、そこで語られている内容が、当時十代の女性への脅迫的なセクシシュアルハラスメント被害であることには十分に注意する必要がある。

芸能界というフィルターを通すから非現実的に見えるかもしれないが、たとえば、友人女性から「昔、電車で痴漢に遭った」とか「以前、会社の上司からホテルに誘われて嫌な思いをした」といった被害を打ち明けられたら、まず思うのは「それはつらかったね」であって、「証拠を見せろ」とか「そんなことあるわけない」ではないだろう。

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