まるで接点のない人との出会い

彼は、毎年夏に開催されるエイベックスの音楽のお祭り『a-nation』に行くのを楽しみに、平日は満員電車に揺られる生活を送っている。

私といえば、土日祝日は地方のお祭りのステージに立ち、飛行機や新幹線の中で竹原ピストルさんの曲を聴く暮らしをしていた。

そんな真反対で、まるで接点のない人と出会えるのが、インターネットというテクノロジーの織りなす魔法である。

 

思い出を美化したい気持ちが働き、結婚発表したYouTubeではかっこつけてしまったが、彼との出会いは、簡単に言えば、インスタのDMだ。実のところ、私は色んなDMに返信してきた。異性にも同性にも。中には、ライトなやりとりを続けている人もいた。

ただ、LINEまでは絶対に交換しないのがポリシーだったのだが、彼にだけは、魔がさして、5ターンぐらいやりとりをした後、LINEをしてしまった。この時点で鍵がかかっているので、顔は見えない。だが、文面が明らかに他の人と違うという感覚はあった。『バービーのファン』というわけではなさそうだった。テレビを流し見するなかで知っていたであろう私に、たまたま連絡をしてきたらしい。

写真提供/バービー

この頃私は、失恋をしてめちゃくちゃ出会い系をやっていた時期。そのため、出会い系で人を見る目が培われたらしく、私の勘が働いた。まるで、交際を見越したかのような丁寧な接し方。

オフィシャルアカウントに送られてくるDMは、当たり前だが、バービーに宛てたものばかりの中、「これは、バービーに送っているのではない、ひとりの人間に送っている!」という直感だ。「信頼できそうだが、なんとも不思議なサラリーマンだ」そう思ったのが、思わずLINEしてしまった理由かもしれない。
 
こればかりは、どっぷり出会い系にハマり経験値を積んだ自分を褒めてやりたい。好きこそものの上手なれだ。

写真提供/バービー