日米首脳共同声明で追い詰められた中国が、どうしても潰したい「ある議論」

処理水海洋放出の批判ともリンクする

中国にとって最もイヤな声明

4月16日の日米首脳共同声明において、以下のような文言が盛り込まれた。

日米両国は共に、尖閣諸島に対する日本の施政を損おうとするいかなる一方的な行動にも反対する。
日米両国は、東シナ海におけるあらゆる一方的な現状変更の試みに反対する。
日米両国は、南シナ海における、中国の不法な海洋権益に関する主張及び活動への反対を改めて表明するとともに、国際法により律せられ、国連海洋法条約に合致した形で航行及び上空飛行の自由が保証される、自由で開かれた南シナ海における強固な共通の利益を再確認した。
日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す。
日米両国は、香港及び新疆ウイグル自治区における人権状況への深刻な懸念を共有する。

安全保障における中国に対する日米の姿勢は明快だ。これについて、各紙の社説は以下のとおりだ。

朝日新聞「日米首脳会談 対中、主体的な戦略を」
https://www.asahi.com/articles/DA3S14875083.html
毎日新聞「菅・バイデン会談 問われる日本の対中戦略」
https://mainichi.jp/articles/20210418/ddm/005/070/010000c
読売新聞「日米首脳会談 強固な同盟で平和と繁栄導け」
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20210417-OYT1T50342/
日経新聞「日米同盟の深化で安定と発展を」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK171ZV0X10C21A4000000/
産経新聞「日米首脳会談 「台湾」明記の意義は重い 同盟の抑止力高める行動を」
https://www.sankei.com/column/news/210418/clm2104180002-n1.html
東京新聞「日米首脳会談 米中との間合いを測れ」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/98895

各紙と中国との距離感により、日米首脳共同声明の評価が違っているのは興味深い。読売、産経は評価し、朝日、毎日、東京は評価せず、日経はその中間だ。

photo by gettyimages
 

いずれにしても、これまでの日米首脳会談と比べても、中国には最もイヤなものだろう。なにしろ、中国が核心的利益として国家戦略に取り込んでいた新疆ウイグル自治区、南シナ海、香港、台湾、尖閣のいずれについても、日米は批判したからだ。

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