人と人との距離感が変化したコロナ禍。長引く外出自粛では、これまで以上に家族と“密”にならざるをえない一方で、友だちを気軽に飲みに誘えなくなったり、ときに孤独にさいなまれたり……。
まだまだ感染拡大への警戒が続く今春、人との関わり方について示唆を与えてくれるのが、現在放送中のドラマ『ソロ活女子のススメ』(テレビ東京ほか 毎週金曜深夜0時52分~)。
本作は、フリーライター・朝井麻由美の人気のエッセイ本『ソロ活女子のススメ』(大和書房刊)を原案に、主人公・五月女恵が“ソロ活”に邁進しながら、新たな「ひとり〇〇」を体験していく物語だ。
主人公を演じるのは、独特の存在感と演技力によって、映画、舞台、ドラマにCMと引っ張りだこの江口のりこさん。今回が民放ドラマ初主演ながら、「初主演への意気込みは……特にないですね(笑)」とまったく力みがない。ドライで正直で飾らない。そんな女性を演じることが多い江口さんだが、取材のときもそのままの雰囲気をまとっているように見えた。
凛とした佇まいの彼女は、「ひとりでいること」をどう捉えているのか。率直な思いを語ってくれた。
「コミュ力はあるけどひとりが好き」が現代のリアル
――「ソロ活女子」を演じられた率直なご感想は?
主人公はウェブ系の出版社で働く契約社員で、年齢も私とほぼ同じ。終業時間になれば早々と退社をして、積極的にひとりを楽しんでいるわけですが、まぁこれがいかんせんアクティブで……(笑)。
――第一話から、ひとり焼き肉を堪能した後に、ドレス姿になって超高級リムジンで都内クルージングをしていますね。
今年3月から撮影をしているのですが、毎回「都内には、こんなおもしろい場所があるんだ!」と驚いていますね。気球、遊園地、動物園、立ち飲み、ラブホ……あらゆるスポットを巡って、まるで社会見学をしている気分。一生分の「遊び」をしている感覚です。
――主人公は、ひとりでいるのが好きだけど、決して孤独なキャラとしては描かれていませんね。
そうなんですよ。彼女は、それなりにコミュ力はあるし、会社では頼りにされて、居場所も人望もある。人と関わろうとしたら関われるのに、あえてひとりを選んでいるんですよね。こういうタイプの人って私もいまだに「よくわからないな」と手探りながら、とても楽しく演じています。だって人間って誰しも、どこか変なところがあるし、「この人はこういうひと」と一概には決められないですよね。少しぐらい謎な部分があるほうが、かえってリアルなのかも。