「小室圭さん問題」を放置し続ける宮内庁と政治の怠慢をどう考えるべきか

それは政治と国家の使命ではないか
宇山 卓栄 プロフィール

かつて、イギリス王エドワード8世は1936年、離婚経験のあるアメリカ人女性のウォリス・シンプソンとの結婚を望み、世論の反感を買いました。ウォリスは人妻で、エドワード8世はウォリスの夫に離婚を迫り、暴行事件まで起こしています。メディアも連日、王室のスキャンダルを書き立てました。

当時のスタンリー・ボールドウィン首相はエドワード8世に「王制が危機に晒されている」と警告し、退位を迫りました。そして、エドワード8世は王位を捨て、ウォリスとの結婚を選びます。

首相が退位を迫るなどというのは日本ではあり得ないし、あってはならないことですが、ボールドウィン首相のイギリス王室にかける思いは並々ならぬものがあり、王個人を切り捨てでも王室全体を守ろうとした、それは忠義の行動でした。

Stanley Baldwin〔PHOTO〕Gettyimages

今日、イギリスでも、このように、体を張ってでも諫言する忠義の臣下がいなくなりました。だからこそ、メーガン元妃の前代未聞の一連の騒動が起こっているのです。

よく、「皇室のことに、国民が口出しをすべきではない」などと言う人がいます。ダメなものはダメだと、皇族に諫言申し上げるのが真の忠義です。いつの時代にも、英邁な君主や皇族ばかりが出るとは限りません。何でもかんでも「御意のままに」では、国体を護持することができなくなってしまいます。

政治が結婚を阻止することはできるのか

加藤官房長官は小室氏の問題について聞かれると、いつも「見守る」などと言って、静観していますが、政府も宮内庁を通じて皇室を支える立場にあり、宮内庁に任せておけばよいというものではありません。皇室の権威を守るためには、どうすればよいのかということについて積極的に取り組まなければならない責任があります。

現在のところ、内親王などの女性皇族の結婚を止めるための法の枠組みはありません。眞子内親王殿下が皇室の戸籍にあたる皇統譜を取り寄せて、婚姻届を役所に提出すれば、結婚は成立します。親王などの男性皇族については、結婚に際し、皇室会議の議決を得なければならないと、皇室典範第10条に規定されています。しかし女性皇族はその必要がなく、法的には、当事者だけの合意のみで結婚できるのです。

皇室会議は皇室の家族会議ではなく、法的に定められたもので、議員は10人、秋篠宮殿下と常陸宮妃殿下、総理大臣(議長)、衆参両院の正副議長、宮内庁長官、最高裁長官と判事によって構成されます。過半数の賛成によって、議決が得られ、同数となった場合は、議長である総理大臣の判断に委ねられると規定されています。

皇室会議は女性皇族の結婚を阻止できる権限を持っていません。結婚について、女性皇族にも、男性皇族と同様に、皇室会議の議決を経る規定を適用するよう、法改正を急ぐべきだと思います。やろうと思えば、明日にでもできます。逆に、それをやらず、政治が指を咥えて見ているということは眞子内親王殿下の小室氏との結婚を承認することと同義になってしまいます。

 

政治がこの不当な結婚を阻止できるのです。政治の果たすべく役割は大きく、今こそ、果敢に動くべき時でしょう。

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