「素敵だから素敵な人に出会えた」は本当なのか?

私には、同棲して2年以上になるパートナーがいる。3歳下で、穏やかで優しい性格の彼だ。そんな彼は私に対して「痩せろ」と一度も言ったことがない。お互いに言いたいことは伝え合いつつも、言い争いになるような喧嘩をしたことはなく、困ったときには助け合いながら仲良く暮らしている。

-AD-

一緒に暮らすようになってまず驚いたことは、彼が当たり前のように家事をこなすことだった。同棲し始めたときに「家事を手伝ってくれてありがとう」と伝えたところ、「僕も一緒に生活してる。だからこれは君だけの仕事じゃなくて、僕の仕事でもあるよ。自分で自分の生活のことをやるのは当たり前のことじゃない?」と言われた。このときは、わさびがツーンとするかのごとく衝撃を受けた。確かに言われてみればそうなのだ。

生まれ育った家族や周囲の友達、子供の頃から見ていたドラマやアニメ、過去の交際相手など、あらゆるものから「家事は基本的に女性がするもの」という社会文化をインストールしてきた私にとって、それはそれはカルチャーショックだった。

彼の育った背景を深く聞いてみると、ご両親は共働きで、料理担当はお父さん、洗濯担当はお母さん、といったように家事分担され、男性も家事をするのが当たり前の環境で育ったらしい。そんなご両親ふたりから家事のやり方を学んだそうだ。

でも、家事ができると「自分の流儀」を通したがる人もいる。が、家事のこだわりを押し付けられたことは一度もないし、例えば2人とも「今日は料理を作りたくない!」となれば、外食したり、Uber Eatsをデリバリーすれば解決する。

おいしいものを食べるのが好きななおさんの彼。彼とならダイエットを気にせず、純粋に食事を楽しむことができる。写真/吉野なお

生活費は折半。外食時も基本的にお会計は割り勘だが、記念日など特別な日はちょっと良いレストランを彼が予約してくれ、ご馳走してくれる。その代わりに私も何かをプレゼントしたりして、きちっと区切っているわけはないが、ざっくりとバランスがとれていると思う。

それぞれの価値観を押し付けあわず、お互いに無理のない生活なので、ストレスなく暮らせている。どちらかが頼り・頼られる関係というよりも、一緒にアイデアを出しあいながら工夫しながら問題を解決するパートナーだ(だから私は彼氏と呼ぶよりパートナーと呼ぶようにしている)。

そして付き合ってもうすぐ3年になるのに、彼は私と顔を合わせると毎日欠かさず嬉しそうなのである。どうやら底なしの愛の泉を持っているらしい。そんなパートナーとの日常生活について、時々だがSNSに書いている。

すると、「なおさんが素敵だから素敵な人に出会えたんですね」というコメントをいただく。このとき私は、少しほろ苦い思いを抱いた。なぜなら、20歳ごろの私なら、彼の素敵さに気づけず、パートナーになっていなかったと思うから。彼につきあおうと言われても断っていたかもしれない自分がいたからだ。